特集【フェムケア・フェムテック】 健食業界からの参入活発、市場形成が加速
フェムケア・フェムテック市場は、製品・サービスが増え右肩上がりで成長。矢野経済研究所が昨年11月に発表した調査では、2023年のフェムケア・フェムテック市場は約750億円(前年比108.0%)と推計。2020年比で125.2%となった。2024年は798億円を見込む。こうした中、健食業界も成長分野と捉え、素材開発、製品上市が活発に。明治、ポーラ、アサヒグループ食品などの大手企業をはじめ、参入企業が相次いでいる。販売チャネルは、商品特性ゆえに、通販チャネルが主体。ここ数年は、フェムケアに対する消費者認知が進み、販売チャネルが拡大。婦人科系の医療機関での推奨販売に加え、店販チャネルでの取り扱いも広がっている。
市場調査会社のインテージヘルスケアが保有する小売6,000店舗の販売データ(インテージSRI+®・全国小売店パネル調査)によると、フェムケア市場における健康食品の推計販売額は、2022年・59億円、2023年・64億円、2024年・68億円と年々増加している。市場形成にとってプラスな動きでは、政府は昨年10月に、国立成育医療研究センター内に「女性の健康総合センター」を開設した。女性特有の健康課題などにおける研究拠点として、自治体や病院、企業と連携してデータを収集し、女性の健康のための研究や情報発信などを行っていく。
フェムケア領域の機能性表示食品では、「月経」「膣内環境」「末梢部位の体温を維持」「女性の排尿」「骨の成分の維持」などの文言を使用した機能性表示食品が受理されている。アサヒグループ食品は、機能性表示食品『わたしプロローグ』(機能性関与成分:CP2305ガセリ菌)を通販で販売。表示内容は、「正常な月経周期を有する健康な女性の月経前の一時的な晴れない気分、精神的疲労感、眠気を軽減する機能があります」。発売2年目となる中、30代女性を中心に支持されており、販売量は堅調に推移する。同社では、「自社調査で、悩みに対して対策をしていない人、どうしてよいかわからない人の割合を合わせると50%以上だった。潜在ニーズはあるので、サンプリング施策やSNS配信の強化を計画していく」としている。
フェムケア領域に活用されている健康食品素材は、大豆イソフラボン、葉酸、亜鉛、鉄、松樹皮、マカ、シャタバリン、ラフマ葉、チェストツリー、アグアヘ、ザクロ、パフィア、レッドビーツ、テフ、ヨモギ、オリーブ、エンドウ豆スプラウト、ショウガ麹、クロレラ、オーランチオキトリウム、乳酸菌、ウマ由来肝臓・心臓エキス末 ―― など、定番素材から新規素材まで多岐に亘る。各社からは、「エクオール含有原料としてOEMが好調」「婦人科クリニック向けサプリの注文量が増えている」「海外からの反応が予想以上に高い」「機能表示食品対応素材として採用件数が増えている」「機能性表示食品の届出中」などのコメント聞かれた。つづく
詳しくは健康産業新聞1816号(2025.7.16)で
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