【総務省・家計調査】 サプリ支出、4月大幅増 5月に急落

 7月4日に発表された直近5月分の家計調査では、2人以上世帯の消費支出は1世帯当たり31万6,085円で、前年同月比は、物価変動の影響を除いた実質で4.7%増、実数と比較した名目で8.9%増。2ヵ月ぶりの実質増となった。実質増が4%以上となったのは、22年8月の5.1%増以来。大型連休で11連休を取得する動きもみられる中、自動車購入費、外国・国内パック旅行費、飲酒代、洋食(外食)などの支出が増え、実質増に寄与した。統計局によると、夏を前にエアコンの支出も伸びたという。10大費目で最も支出額が大きい「食料」は9万4,204円で前年同月比は実質1.0%増、名目7.6%増。外食のほか、油脂・調味料が伸びた。一方、米は3,508円で実質8.2%減となった。なおエンゲル係数は28.3(前年同月は28.7)。

 

 2人以上世帯を対象とした「健康保持用摂取品」の今年に入ってからの支出は、1月は伸長したものの、2月、3月と苦戦。しかし4月に入り前年同月比34.4%増の1,301円に激増した。支出額が1,300円を超えたのは、20年8月に1,563円を記録して以来となった。なお家計調査が調べている「健康保持用摂取品」は錠剤やカプセル、粉末、エキスなどサプリメント剤型のもので、バータイプの栄養食品や清涼飲料などは含まれない。5月の「健康保持用摂取品」支出額は896円となり、前年同月比は名目8.0%減。比較対象の昨年5月が974円と低い水準だったため、前年同月比は2ケタを超えるような大幅なマイナスにはなっていないものの、支出額ベースでは、厳しい支出状況が続いた24年にも一度もなかった900円割れ。前月比では約3割減で、4月の大幅増から一転して支出が大きく減った。

 

 「健康保持用摂取品」支出の2025年1〜5月累計は5,274円で、前年同期比4.0%増。4月の大幅増によってプラスとなっているものの、支出が安定しない状況となっている。健康保持用摂取品の5月の支出急落について統計局では、「要因までは分析していない」としている。ただ、統計上の数字を見ると、一定の傾向は見えてくる。世帯類型別では、家計調査対象世帯の34.4%を占める「無職世帯」(世帯主が無職で、年金や恩給、仕送り金、保険金、財産収入等で家計を営んでいる世帯)の5月の健食支出は1,152円で、前年同月比は13.3%減。4月の2,211円からほぼ半減した。健食支出を支えてきたこの世帯の落ち込みが、全体の支出減につながったようだ。つづく

 

 

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