特集【注目の伝統食材】 伝統食を現代風に進化、美肌などのエビデンス訴求も

 発酵食品は、発酵過程で様々な栄養成分を産生することが知られており、大豆を発酵させて作る納豆はビタミンK2を生み出すことなどが知られている。発酵による微生物は食材中の糖分やタンパク質を分解し、身体吸収性を高める性質も。日本における伝統食のバリエーションは世界トップクラスを誇り、独特の風土から生まれた発酵食品が各地で受け継がれている。全国トップレベルの長寿県として知られる長野県は、発酵をキーワードに、さらなる健康長寿を目指すことを目的とした“発酵・長寿県”宣言を行った。こうした中、伝統を大切にしながらも、時代に合わせた新しい食の在り方を提案する取り組みが。㈱コーセーフーズは、発酵食材を独自に殺菌・粉末化したオリジナル素材をプロテインやサプリ、化粧品向けに提案している。米麹パウダー『アスペルパウダー®シリーズ』はプロテインの消化吸収促進など。玄米麹から抽出した素材『アスペルエキスゴールド』は、シミやシワ、弾力の改善、透明度アップなどの機能性を訴求している。

 

 職場における熱中症対策が今年6月1日から義務化された。対策を怠った場合は罰則対象となり、多くの企業で社内の熱中症対策を見直す必要がでている。熱中症対策について、帝国データバンクが全国1,568社を対象にインターネット調査を行ったところ、認知している割合が最も多かった業種は建設業(79.3%)。次いで、製造業(57.1%)、運輸・倉庫業(52.1%)と続いた。対策内容は、クールビズの実践(70.5%)をトップに、扇風機やサーキュレーターの活用(60.7%)、水分や塩分補給品の支給(55.7%)の割合が高かった。職場の熱中症対策義務化に伴う需要増を見込み、ブランドオーナーでは塩分補給商材の提案を活発化。発汗で失われる成分を手軽に摂取できることなどをアピールしている。

 

 ㈱天塩は塩飴『天塩の塩あめ りんご酢味®』を発売。汗の成分に近いイオンバランス(Na:K:Ca=33:10:1)にこだわって仕上げた。赤穂化成㈱は「赤穂の天塩」使用の新商品『熱中対策水 10倍濃縮 シトラス』を発売した。カラダから汗として出た水分と塩分を無理なく補給できることを訴求している。富山湾の海洋深層水を活用した塩・にがり製品を取り扱う五洲薬品㈱は、電解質補給水『経口補水パウダーダブルエイド』を展開。熱中症の問題が深刻化する昨今、スポーツシーンでの利用はもとより、警備業や建設業など屋外で作業する労働者、子供や中高年層の熱中症対策として利用されている。水に溶かすだけで水分と電解質を効率的に補給できるため、アスリートも含めた幅広いユーザーを獲得している。

 

 5〜7月に収穫される「梅」も熱中症対策の重要アイテムだ。梅を塩漬けした「梅干し」は、汗で失われるナトリウム補給に役立つほか、夏バテ予防に役立つビタミン・クエン酸も。ナトリウム不足状態の水分補給は、体内の塩分濃度を維持する排尿増および脱水症状に繋がるため、“水+梅干し”の摂取がポイントとなっている。栄研商事㈱は約20アイテムの梅原料を供給している。熱中症対策では、「梅肉パウダー」や「低塩濃縮梅酢」をラインアップ。紀州産梅肉を100%フリーズドライした「梅肉パウダー」は、熱中症タブレットなどの引き合いがある。「低塩濃縮梅酢」は、果汁とは異なる独特な風味が特徴、飲料メーカーからの引き合いがあり、「塩分含有量を調整することにより、熱中症対策商品にも応用できる」という。つづく

 

 

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