【話題追跡】 海外展開、 ベトナムに熱視線
国内健食市場が伸び悩む中、海外へ活路を見出す動きが活発だ。なかでも、2024年のベトナムへの栄養補助食品輸出額は前年比11%増の25億円超で、輸出先の国別でみても伸長率が高い。本紙の健食受託製造事業者対象の定期調査では、海外展開先の1位は51票の中国。ベトナムは1票差の50票を獲得し、2位に躍進した。先日開催されたベトナム市場に関するセミナーには約360人が聴講。健康食品、化粧品業界の関心の高さがうかがえた。財務省の貿易統計では2021年から、「ビタミン、ミネラル、アミノ酸または不飽和脂肪酸をもととした栄養補助食品」の輸出額を集計している。24年の栄養補助食品輸出額は、トップ・中国が前年比24.8%減の109億8,313万円、2位・台湾が同18.8%減の38億402万円、3位・香港が同18.1%減の26億110万円と、それぞれ前年を下回ったが、4位・ベトナムは同10.7%増の25億4,265万円に伸長した。
本紙が全国の受託製造事業者を対象に、5月から6月にかけて実施した調査では、主な輸出国は、ベトナムが前年調査の3位から2位にランクアップ。トップ・中国の経済にブレーキが掛かる中、1票差に迫る勢いだ。化粧品受託事業者へ実施した調査でも、ベトナムは前年調査の4位から3位にランクアップした。健康食品の受託企業からは、「美容訴求ドリンクのOEM案件が好調」「免疫の関心が高くキノコサプリメントの販売量が伸びている」「健康リテラシーが高い層には添加物フリー、ナチュラル、ビーガンといったワードが響く」「年々美意識が高くなっている」などの声が聞かれた。
先日、ジェトロベトナムとインフォーマ マーケッツ ジャパン共催で実施したベトナム市場の美容・健康ビジネスにおけるオンラインセミナーには、約360人が参加。ジェトロ・ホーチミン事務所長の松本氏は、健康食品のニーズは年々高まっている。平均年齢が若いとは言え、新型コロナを経て健康への意識が高まり、予防意識が向上。意識調査を紹介しながら、期待される効果は、「免疫力強化」「栄養補給」の回答が多かったと述べた。また、原産国の認知度で「日本」は、「オーストラリア」に次いで2位。「日本製サプリメントは品質が高く、製造・検査工程が厳格/安全である」と評価されており、多くの日本製品が店舗やECで流通しているという。市場拡大の背景には、この10年でベトナム国内事業者の参入が増加したことも大きいと報告した。つづく
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