【トップインタビュー】 フコイダン、 生産能力向上で海外展開を拡大

沖縄健康産業界のリーディングカンパニー 金秀バイオ㈱ 代表取締役社長・知念 三也氏

 沖縄健食産業を牽引する金秀バイオ㈱(糸満市西崎町)。県産素材を用いた原料・OEM供給から製品販売まで一貫体制の下、国内外でビジネスを展開する。主力のフコイダンは、需要増を見据え、設備投資を行い、生産能力を向上。“金秀ブランド”を武器に、海外展開を一層強化していく。微細藻類『ラビリンチュラ』は、新たな機能性研究を実施しており、エビデンスデータの蓄積を進める。また、特許製法「ナノ(リポソーム)化技術」を活用した素材・商品開発にも注力していく。県内活動では、グループのスーパーマーケットを中心に、PB商品のラインアップを拡充。新たな顧客獲得に繋がっている。

 

――2024年度の業績について

 2024年度(3月期)は、国内売上が堅調に推移し前年を上回り、増収となりました。紅麹問題の影響もほぼなく、既存顧客の安定受注に加え、新規の顧客獲得もありました。一方、一昨年から昨年にかけて、フコイダン抽出設備、スプレードライヤー、ナノリポソーム化設備に加え、分包機やシュリンク包装機などを導入。この減価償却費の負担が大きく減益となりました。主力のフコイダン事業は、好調だった海外輸出が伸び悩みました。特に、主要輸出国であるベトナムへの供給量が、国内経済の鈍化も重なり、前年比を下回ったことが大きいです。ただ、昨年12月あたりから回復基調にあります。また、米国、香港、台湾はフコイダン含有量や品質の高さが支持され、販売量が大きく伸びています。

 

 海外展開は、引き続き強化していきます。昨年度は、3ヵ国で展示会に出展。今期もインド、米国に加え、来年2月にはアラブの展示会にも出展予定です。輸出国を広げていくと共に、各国の関連法規に沿って、安全性などに関する認証取得も進めていく計画です。国内の競争が増す一方で、当社の大きな強みは、世界規模で戦えることです。まだまだ未進出の国はたくさんあるので、金秀ブランドを世界中に広げていきたいです。設備面では、フコイダンの抽出機、大型スプレードライヤーなどを設置。昨年10月から本格稼働しています。生産能力はこれまでの約2倍となり、生産効率が向上し、受注増に対応できる生産体制が整いました。

 

――今期の注力ポイントは

 藻体をまるごと粉末化にしたDHA高含有の藻類原料『ラビリンチュラ』は、展示会での来場者の反応は良く、さらなる差別化を図るべく、琉球大
学と共同で新たな機能性研究を行っています。自社製品では、特許製法「ナノ(リポソーム)化技術」を活用した「NANO LIPO」シリーズとして、リブランディングも推進し、今後も製品拡充を図っていきます。また、「ナノ(リポソーム)化技術」に関する問合せは多く、特許技術を活用した原料開発や、OEM供給の提案も行っていきたいです。このほか、サトウキビのバガス培地で固体培養した独自のアガリクス菌糸体を長年製造しています。このノウハウを生かし、種菌から培養した菌糸体キノコの開発にも着手しています。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1814B号 別冊『沖縄県』(2025.6.18)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら