特集【25年上期総括・化粧品受託製造】 調査データ解説②
【メンズコスメの受注状況】
ジェンダーフリー進むとの見方が大半
メンズコスメの受注状況について聞いた調査では、前年同期と比較して「受注が増えている」との回答は、昨年調査より6.1ポイント減の14.2%に留まった。この2年間で約12ポイント減少している。メンズコスメ市場の今後について、「市場は拡大する」との回答も、昨年調査より6.2ポイント減の46.0%に。逆に「市場は拡大しない」は同7.3ポイント増の12.4%となった。各社からは、「大手メーカーの寡占市場になると思われ、市場全体は拡大しないのでは」「男性の化粧品利用は増えているが、メンズ用というより、ユニセックス(ジェンダーフリー)の傾向にある」「女性用・男性用との括りが古い」「女性用の化粧品を使用する男性が多い」などのコメントが見られた。男性の化粧人口は着実に増加しているものの、半数の受託企業では、メンズコスメの市場拡大には懐疑的であることがうかがえた。
【フェムテック/フェムケア化粧品の受注状況】
市場拡大には、依然として半信半疑か
フェムテック/フェムケア化粧品の受注状況を聞いた調査では、前年同期と比較して「受注が増えている」との回答は、昨年調査より0.5ポイント増の28.6%、「受注は増えていない」は同9.5ポイント減の39.3%、「どちらともいえない」は同10ポイント減の32.1%となった。フェムテック/フェムケア化粧品市場の今後について、「市場は拡大する」との回答は、同6ポイント減の43.2%となった。各社からは「デリケートゾーンケアは既に商品過多の状況」「独自性が表現し辛い」「ブームではあるが、必然性が弱く一過性のものと捉えている」といったコメント、「言葉の意味がよくわからない」「定義が未だに曖昧」などのコメントが見られた。一方、健康食品の製造工場を併せ持つ化粧品受託企業や、日頃から健食受託企業とのコミュニケーションを図っている企業からは、「化粧品単体ではなく、サプリメントとのコラボで効果を発揮できる分野だと考えている」といったコメントが複数聞かれた。実際、健食業界ではフェムケア対策として、女性の様々な悩みを訴求する機能性表示食品が続誕生している。今後は、内外アプローチによるフェムケア市場の開拓に期待できそうだ。
詳しくは健康産業新聞1814号(2025.6.18)で
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