特集【25年上期総括・化粧品受託製造】 国内外の市場回復、6割が増収
経済産業省の生産動態統計によると、2024年(1〜12月)の化粧品の国内出荷金額は、前年比6.4%増の1兆3,859億2,799万円となり、2年連続で市場は回復。また、日本輸入化粧品協会による化粧品輸入実績でも、2024年は前年比17.7%増の4,437.7億円となっている。他にも商業統計によると、2024年のドラッグストアの売上高で、ビューティーケア(化粧品・小物)は同10.8%増と、化粧品市場が着実に回復していることがうかがえる。今回、本紙編集部が化粧品受託製造企業200社を対象に、取材およびアンケート調査を実施した結果(有効回答119社)、今年上期(1〜6月)の経営状況について「良かった」との回答は、昨年調査より13.2ポイント増の43.2%。「悪かった」との回答は同2.9ポイント減の9.3%となった。今年上期の増収企業も、昨年調査より6.7ポイント増の58.1%。その内2ケタ増収を達成した企業は同8.9ポイント増の23.6%となった。
今回の調査で「経営良好」と回答した増収企業の多くからは、「既存顧客の売上回復」および「新規顧客の獲得」とのコメントが見られた。原料・資材・エネルギーコストや人件費などの製造に関わるコストは、依然として続いているもようだが、今回の取材・調査では、各企業とも昨年調査時よりも明らかに化粧品市場の回復に伴う受注の増加が、体感できる状態にあることがうかがえた。さらに、輸出用や海外ブランドオーナーからの受注実績について聞いた調査でも、今年上期の実績について、前年同時期に比べ、「受注が増加している」との回答が、昨年調査より1.4ポイント増の27.7%。「受注が減少している」は同5.7ポイント減の12.9%に留まるなど、海外取引の回復傾向が見られる。実際、「受注が増加している」と回答した企業からは、「取引先の販売好調」「欧米の取引先がコロナ前の水準に戻りつつある」「中国市場の回復」などのコメントが見られた。
なお、業界の景気動向を示す設備投資については、今年上期の実施企業は43.1%。昨年調査より2ポイント減少した。一方で、「新工場建設」を行った企業は8社。昨年調査より2社増加した。また、今年下期については、設備投資を予定する企業が同6.6ポイント増の57.9%と大幅増に。昨年調査と同じく5社が「新工場建設」を計画している。今年上期は設備投資を控えた企業も下期には設備投資に前向きな姿勢が見られた。つづく
詳しくは健康産業新聞1814号(2025.6.18)で
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