特集【25年上期総括・健康食品受託加工/製造】 調査データ解説③

【機能性表示食品制度について】

機能性表示食品57.4%が対応、「評価している」は3割弱

 昨年の紅麹問題が発端となり、機能性表示食品制度の大幅な改正が行われた。現在の機能性表示食品の総届出数は、6,957品(6月6日時点、取り下げを除く)。今回の調査では、機能性表示食品制度について、「制度に応じた受託を行っている」との回答は、昨年調査から5.5ポイント増の57.4%だった。「準備中」は14.8%。両回答を合わせると7割超が機能性表示食品の対応に前向きな姿勢をみせている。機能性表示食品制度に対する具体的なサポート内容は、「原料選定の相談」「成分分析」「SR付の原料手配」「SRの無償提供」「製造工場に関係する書類作成」「届出書類の作成」「消費者庁との対応」「製品の試作」「パッケージの作成」「パッケージにおける表示内容のチェック」―― など、多岐に亘る。機能性表示食品に対応したオリジナル原料を活用した受託のほか、開発初期から処方設計、届出、製造、受理後まで「フルサポート」で対応する企業も目立つ。受理実績件数では、500件を超えると回答した企業が複数社あった。

 

 機能表示食品制度の評価については、「評価している」が29.4%、「評価していない」が11.9%、「どちらともいえない」が58.7%。「評価している」との回答は、昨年調査から5.8ポイント減少した。「評価している」と回答した企業からは、「消費者目線で分かりやすい」「消費者がどのような商品か理解しやすい」「消費者への認知が上がってきている」「消費者の製品選択の一助になっている」など、消費者利益に繋がっている点を挙げる回答が目立った。また、「健康食品の地位向上に繋がった」「機能性食品が増え、健食業界の成長に寄与した」「新たな市場を形成できている」「制度として確立し、販売者側が魅力を感じている」「GMPが義務となり、より厳格化になった」などの回答が寄せられた。

 

 一方、「評価していない」「どちらでもない」と回答した企業からは、「手間が掛かる割に売れない」「制度を消費者が正しく理解していない」「消費者へ機能性表示食品が浸透しているようには見えない」「同じ訴求での製品群が多すぎて、差別化が難しくなってきた」「トクホと異なり、ヘルスクレームがあいまい」など、様々な回答が挙がった。また、「審査官により受理状況が変わることが大きな課題と考える」「届出が繁雑」「許可制なのか届出制なのか曖昧」「制度の見直しによる負担増」など、制度への不満を挙げる回答も。このほか、紅麹問題以降、「機能性表示食品に対する消費者ニーズが低下している」「機能性表示食品開発の案件が減少している」「紅麹問題により、OEM事業者に対する実質負荷が大きくなった」といった回答もみられた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1814号(2025.6.18)で
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