25年上期 健食受託調査 増収5割弱、「経営良好」25%にとどまる
2025年上期の健康食品受託企業の業況は、5割弱が増収となったものの、「経営良好」は25%にとどまったことが、本紙が実施した調査でわかった。紅麹問題の影響は薄れたものの、近年課題となっている各種のコスト増や人手不足が経営に影響している実態が浮かび上がっている。今後については、これらの課題に加えて、物価高による消費への影響を懸念する声が多数聞かれた。調査は5月中旬から6月初旬にかけて、全国の健康食品受託加工・製造企業約250社を対象にアンケートを実施、125社から有効回答を得た。売上規模は、10億円未満が約46%、10億円台が約20%で、あわせて3分の2を占める。
25年上期に増収となった企業は47.8%で、前年同期調査から6.2ポイントダウンし、5割を下回った。前年並みは23.5%(前年同期16.7%)、減収は28.7%(同29.4%)だった。上期の経営状況について聞いた結果、「良かった」は24.6%で、紅麹問題直後の前年同期調査から5.9ポイント減少。昨年末調査の21.4%からは改善したものの、3割には届かなかった。一方、「(良いとも悪いとも)どちらともいえない」は6割近くとなり、この5年間で最も高い水準に。紅麹問題の影響は薄れているとの声が聞かれた一方で、原材料の高騰や人件費アップなどによる利益率の低下を指摘する声が多かった。ブランドオーナーへの要望では、「価格改定に寛容になってほしい」「原材料費や光熱費の値上がりに伴う妥当な範囲での値上げは許容していただきたい」といった声が聞かれた。原料・資材コスト増に加えて課題となっている工場の人手不足。今回調査では「人手不足」(31.7%)と「やや人手不足」(47.2%)の合計は78.9%で、前年同期調査と同率という結果になった。
景気の指標となる設備投資を行った企業は44.3%で、前年同期の50.4%からダウン。新工場を建設したのは8社だった。25年下期は、49.6%が設備投資を予定、7社が新工場建設を予定している。国内市場と並行して、海外市場に乗り出す動きが目立つ中、海外向け受託を行っている企業は65.5%(前年同期63.6%)。供給先トップは引き続き「中国」で51社だが、前回3位だった「ベトナム」が50社で2位に浮上した。上期の人気受注素材は、前年同期に2位だった「乳酸菌」が29票で1位に返り咲いた。前回トップの「NMN」は27票で2位に。3位は22票を獲得した「プロテイン」だった。下期の人気受注素材予想についても、1位が乳酸菌、2位がNMN、3位がプロテインとなった。つづく
詳しくは健康産業新聞1814号(2025.6.18)で
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