特集【オーツ麦】 「プレバイオティクス」「高い栄養価」で注目
オートミールはコロナ渦以降に高まった健康志向を取り込み、売れたものランキング(インテージ調べ)の2位にランクイン。一躍旋風を巻き起こした。その後もプラントベースの潮流なども追い風に認知度が広がりつつある。テレビでは予備校講師でタレントの林修氏が出演するバラエティー番組「日曜日の初耳学」(TBS)で特集が組まれた。少量でも満腹感が得られるほか、腹持ちの良さからダイエット食としてのニーズが高まっていることを紹介。このほか、組み合わせて効果のある食材に「シナモン」を挙げ、抗酸化作用が期待できるとした。オートミールは調理方法・時間などにより様々な種類があることも説明、「オートクローツ」「ロールドオーツ」「クイックオーツ」「インスタントオーツ」を挙げた。
テレビ取材に応じた㈱ライスアイランド・代表取締役社長の小塩陽亮氏は、「欧米では日本よりもオートミールが定着しており、その種類もバラエティーに富んでいる。イギリスでは“ポリッジ”(粒状のオートミールと温かいミルクで作るお粥)が朝食の定番となっているほか、店頭ではイミューンヘルスや美容を訴求する商品なども販売されている」という。昨今の日本市場について、「コメ高騰による代替え需要や腸活需要を取り込んで、甘さが控えめなシリアルの需要が高まっている。量販店ではオートミールを原動力とする棚再編の動きもみられる」としている。
この1年はコメ高騰によるかさまし需要もオーツ麦市場を底上げしている。雑穀メーカーからは、「昨年の米不足、そして現在も続く米高騰を背景に大麦・雑穀市場は好調に推移している」との声が。「主食であるお米に健康的な穀物をプラスする“おこめにプラス”市場は過去10年で約1.9倍に伸長した。2024年の市場規模は約187億円で、前年対比17%増の成長を遂げている」としている。オーツ麦は“高い栄養価”も強みのひとつ。全粒穀物のオーツ麦は表皮や胚芽が削られていないため、食物繊維、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が多く含まれている。食物繊維量は100g当たり9.4gで、白米の約18倍。「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」をバランスよく含むことから、腸内環境改善や血糖値コントロールに関する機能性が注目されている。タンパク質は100g当たり13.7g。白米(6.1g)比においても高い含有量だ。
昨今では筋トレ系YouTuberがオートミール使用レシピを紹介したことで、ボディメイク関心層の需要も獲得している。このほか、ビタミンB1やB2、鉄やカルシウムが含まれており、ブランドオーナー各社では、女性層に向けた提案も進めている。商品形態は米飯タイプにとどまらない。お菓子類の新商品も登場した。㈱ブルボンは今年3月、オーツ麦粉とオーツミルクを練り込んで焼きあげたクラッカー『オーツ麦のクラッカー』を上市。普段の食生活で不足しがちな食物繊維を個包装1袋(4枚)あたり1.2g含有している。つづく
詳しくは健康産業新聞1813号(2025.6.4)で
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