特集【コラーゲンペプチド】 国内コラーゲンペプチド販売量5,614トンに

 日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が5月に発表したコラーゲンペプチドの販売量の最新版(令和6年度)では、前年度から658t減って5,614tとなった。このうち「食用」用途の販売量は4,912tで同5.9%減となった。調査は同工業組合の加盟企業を対象に実施したもので、コラーゲンペプチドの対象は7社。アフターコロナで需要が回復し、2021年22年と前年増を記録していたが一転、2年連続の減少となった。用途別では最も多いのが「食用」の4,912t。「医薬用」は70tで同12.5%減、「工業用」は2tで同6.5%減。「輸出」は620tで同3.1%減となった。

 

 減少の要因として、業界からは「価格の安い海外品との競争が激化したことが影響しているのでは」との声が上がっている。実際、組合非加盟のサプライヤーからは「販売量が増加している」との声もあり、コラーゲン市場全体ではプラスになっているとの見方もある。「コラーゲンが主剤となるような商品での原料切り替えはなかなか難しいが、副材として採用されている商品での切り替えが進んでいるのではないか」と分析する企業も。特にここ数年中国メーカーによる市場への新規参入が目立っており、「中国製造のコラーゲンも以前より品質が良くなっている」との声も上がるなど、競争が激化している模様だ。

 

 国内コラーゲン市場について、調査会社のインテージが発表した「健康食品・サプリメント+ヘルスケアフーズ+ヘルスケア 市場実態把握レポート」の最新版(2024年度)によると、顕在市場規模は387億円で前年から約7%の減少とこちらも国内市場の伸び悩みが見て取れる。利用目的は1位が「美肌・肌ケア」で、次いで「関節の健康」「健康維持・増進」「骨の健康」「抗酸化・老化予防」と続く。経済不況による煽りを受け、消費が冷え込んでいる様子だ。こうした中、国内企業が目下視野に入れるのが海外展開だ。アフターコロナで世界的に機能性食品への関心が高まっており、コラーゲンの需要も拡大している。

 

 海外への展開について国内コラーゲンメーカーへの聞き取りによると、「中国越境ECやベトナムなど東南アジア向けの輸出は増えている」との声が挙がるなど、現地でのニーズは着実に高まっているようだ。海外では日本製コラーゲンペプチドの品質が高く評価されており、今後の巻き返しに注目が集まる。ターゲットは、高齢者に向けた関節の健康、女性層に向けた肌や髪・爪の健康が主力のようだ。近年では、タンパク強化を目的にスポーツニュートリションシーンでの利用も急速に拡大している。新たな研究では、睡眠に対する有効性についても知見が発表されるなど、コラーゲンの多様な機能性にますます注目が集まる。つづく

 

 

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