【話題追跡】 サプリの定番剤形に!? スティックゼリーの需要伸長

 「他社に断られたという複数のブランドオーナーから、ここ数ヵ月の間で大型案件の引き合いが来ている」 ―― 。スティックゼリーの受託製造に新規参入したメーカーの代表は話す。本紙が今年3月に機能性飲料・ゼリーの受託メーカーに実施した調査でも、ここ数年、スティックゼリーをはじめとした軟包装のゼリー、飲料の需要が高まっている傾向が見られた。前述のメーカーのように、ここ数年、新たにスティックゼリーの製造充填ラインを設備投資し、市場参入する受託メーカーは増えつつあるものの、供給はタイトな状況が続いている。

 

 スティックゼリーの需要拡大の背景には、超高齢社会に伴う高齢者サプリユーザーの嚥下問題への対策、物流コストの高騰に伴うドリンクからの切り替え、子供向けサプリメントの需要の高まりなどが想定される。その他にも携帯性に優れる点、水なしでも食べられる点などメリットも多い。最近ではSNS映えするといったニーズもあるという。スティックゼリータイプのサプリメントはもともと、コラーゲンを配合した美容分野で火が点いた。その後しばらくコラーゲンやプラセンタ、ビタミンCなど美容サプリメントとしての需要が続いていたが、最近では乳酸菌や食物繊維、植物発酵エキスなどを配合した腸活系、大麦若葉エキス末や野菜エキス末などを配合した青汁系、コンドロイチンやMSMを配合した抗ロコモ系、ザクロやサジーを配合したフェムケア系、グリシンやテアニン、ラフマなどを配合した快眠サポート系 ―― など、バリエーションの拡大が目覚ましい。さらに、Tパウチやスマートパックなど、三方シールよりも容量の大きい軟包装では、アミノ酸やBCAAを配合したスポーツ系、アルギニンやシトルリンなどを配合した男性機能向上系などの製品上市も目立つ。 

 

 一例として、青汁市場では、ここ数年、スティックゼリータイプの新製品の上市が続いている。メーカーの話では、粉末青汁製品の市場飽和が続く中で、アプリケーションの差別化として、また野菜嫌いの子供をターゲットとした青汁ゼリーの売れ行きが伸びている点などが、人気の背景にあるようだ。またドリンク受託メーカーの話では、輸送コストの高騰を受け、重量や破損の恐れのある瓶から、軟包装に切り替えるブランドオーナーも一定数いるとのこと。確かに、口栓付パウチゼリーやパウチ飲料の需要も、同様に高止まりしていることから、軽量な軟包装への切り替えを図るブランドオーナーの気持ちも理解できる。つづく

 

 

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