植物由来「非医薬品リスト」改正案
厚生労働省は5月16日、食薬区分の一部改正案と、植物由来物等の「非医薬品リスト」に学名の記載を追加するなどの改正案を公表、意見募集を開始した。同リストの「名称」は和名を記載。名称の指す範囲が広いものの分割や、品目の統合、基原植物が不明なものの削除なども行う。案の通り改正されれば、現行の「非医薬品リスト」で819ある成分は842となる。
食薬区分は、物の成分本質(原材料)について、通知で規定する判断基準に基づき、「医薬品か否か」を判断。医薬品とみなしたものを「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」(医薬品リスト)に収載する一方、規定する判断基準に該当しない場合、参考として「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(非医薬品リスト)として例示している。両リストそれぞれ「植物由来物等」「動物由来物等」「その他(化学物質等)」に分類。食薬区分は、使用する成分が利用可能かを判断するための重要なリストとなっている。
今回意見募集を行うのは、①非医薬品リストへの1成分の追加、②植物由来物等の「非医薬品リスト」の記載の見直し ――について。①では、新たにカミメボウキ(ホーリーバジル、トゥルシー)の葉を追加する案を示した。国内で医薬品としての使用実態はなく、国内外で食経験があり安全性に問題はないと判断した。②は、品目の重複や基原植物の混乱といった指摘を踏まえて、植物由来の非医リストの表記について見直しを行う。まず、全品目に「学名」の欄を追加。「名称」は、和名で統一する。これによって、例えばオレンジの名称は「キンクネンボ」(他名等:オレンジ/スイートオレンジ)、ローズヒップの名称は「カニナバラ」(他名等:ローズヒップ/ドッグローズ)となる。和名がないものは、学名のカタカナ表記を名称とする。「他名等」は、生薬名、一般名、通称名などが含まれる。カタカナ記載のみではわかりにくい場合、中国名があるものなどはカッコ書きで漢字を追加する。例えばアジサイの他名等は「シヨウカ(紫陽花)/ハチセンカ(八仙花)」と記載する。つづく
詳しくは健康産業新聞1813号(2025.6.4)で
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