特集【鮫肝油】 高齢者ユーザーが底支え、インバウンドも回復基調に
鮫肝油サプリメントは、高齢者を中心にリピーター顧客に支えられており、えがお、エバーライフ、オリヒロブランデュ、ハーバー研究所などをはじめ、10年、20年とロングラン製品が多い。免疫サポート、肝機能サポートといった訴求点に加え、血流改善や、コレステロール、中性脂肪、脂質代謝改善作用、睡眠の質改善作用などの研究報告もあり、生活習慣病予防に観点を置いた提案もみられる。各社のヒアリングから市場規模は少なくとも50億円を超えていると推測される。各社からは、「ユーザーの鮫肝油に対する信頼は高く、紅麹問題の影響はほとんどなかった」「免疫サポート商材としての利用が目立つ」「有名雑貨店のオイル品に採用された」「国産商材としてニーズが高まっている」「今年に入り免税店からの注文量が増えている」など、明るいコメントが聞かれた。
えがおは、2001年から『えがおの肝油鮫珠』を通販で展開。18年に亘り、鮫肝油健康食品の通販部門でトップシェアを誇る。機能性研究では、医療機関などと共同で実施したヒト試験で免疫賦活作用に伴うインフルエンザウイルスへの感染抑制効果などを確認している。対面販売を重視するケニングコーポレーションは、既存顧客のリピート率が高く、販売量は堅調に推移する。沖縄に拠点を置くスクワラン本舗は、沖縄近海で捕獲した鮫肝油の原料・OEM供給のほか、自社製品の販売を展開。県内観光客がコロナ前近くまで戻る中、観光ホテルや観光土産店への提案を強化していく。ハーバー研究所では、スクワラン100%の化粧品オイルや、スクワレンを主成分としたサプリメントを展開。店舗向けは、「アジアからのインバウンド需要が回復基調にある」という。一方で、「シニア世代以外のユーザー獲得が伸び悩んでいる」といった声も複数挙がった。体感に定評があるだけに、古くて新しい健康素材として、ユーザーの裾野をどう広げていくか、各社の模索が続く。 つづく
詳しくは健康産業新聞1812号(2025.5.21)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら