特集【プロポリス】 「抗菌」「抗ウイルス」で底堅い需要
起源植物の種類やミツバチの種類、生産国などにより、様々なプロポリス原料が出回っている。起源植物は、アレクリ ン、ポプラ、ユーカリ、アサぺシ、イペロショ、セイヨウタンポポ、ケンポナシ、カルケハなど。蜂の種類は、アフリカ蜂化ミツバチやセイヨウミツバチ。産地はブラジルをはじめイタリアやウルグアイ、中国、オーストラリアなどで生産されている。高品質なプロポリス製品の製造には、原塊の品質確保が必要不可欠であり、各社では起源植物や産地を限定した提案を進めている。昨今では、ウルグアイ産のプロポリスに多く含まれるクリシンなどの成分について、韓国などの諸外国では、ヘリコバクターピロリ菌を阻害する機能に注目が集まっている。
今シーズンの原料確保について、本紙が行った聞き取り調査では、ブラジル産は「問題なし」「見込みがついた」との声が多数寄せられた。一方、原料価格は高騰傾向にあり、業界を取り巻く環境は大きく変化。為替の影響含め、価格改定を余儀なくされるケースもみられる。原料価格の相場について、「日本で流通するプロポリスは一番搾りのものが多く、ハイグレード品の価格相場は約3万5,000円~4万円に上昇している」(プロポリス協議会)という。プロポリスの生産量は減っていないものの、中国や韓国などの需要増が価格上昇に拍車をかけていると指摘する。オーストラリア産は山火事の影響で供給タイトの状況となっている。
国内市場では、新たにプロポリスをはじめたいという声もある。プロポリス協議会によると、「地方で養蜂業を営む人からの問い合わせがあり、自社ブランドでの販売方法などの質問が目立つ」としている。サプライヤーサイドからは、「サステナブル」「ペット向け」「明らか食品」「化粧品」のキーワードが。日本プロポリスでは、抽出残渣を再加工した商品の拡充を検討中。化粧品やペット用途など、一般向け用途で新たな商品化を目指したいという。森川健康堂は、サプリメントのほか、一般食品、飲料、ゼリーなど多様な剤型に対応。プロポリスを用いたペットサプリでは、複数の実績が出てきているという。蜂の宝本舗は、プロポリスリッチクリーム『蜂彩膏(ほうさいこう)30g』を新たに発売した。スキンケア分野での裾野拡大に注力している。海外市場では、スキンケア関連の提案が活発だ。韓国LGグループ傘下の銀座ステファニー化粧品では、「CNP Laboratory(シーエヌピーラボラトリー)」ブランドを展開し、若年層の需要をつかんでいる。このほか、「ブラジルではスプレータイプが好調」との声も。ウルグアイでは、やけどなどの皮膚外傷用途の利用も進んでいる。つづく
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