特集【ストレスケア素材】 睡眠の質向上・月経対策・美容など、+αの商品開発が加速

 ストレス対策のサプリメント・機能性表示食品がマーケットサイズを拡大している。2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の長期化は、生活リズムの乱れや在宅ストレスの増加、不眠症などを引き起こし、その対策として、感染対策と共に、抗ストレス商材を求める消費行動が加速。結果、ストレス対策サプリメント・機能性表示食品の需要が高まった。コロナ禍においては、“コロナ鬱”と呼ばれる症状により、心療内科を受診する患者が急増し、メディアでも盛んに取り上げられた。今現在はどうだろうか。心療内科のドクターによると、「テレワークストレス、将来への不安、不眠症を理由とする診察が増えた」「精神的衰弱に対して、医薬品を避ける患者は多く、サプリメント外来で対応する心療内科が目立つ」という。また、「睡眠、抜け毛、胃痛など、ストレスを起因とする相談は目に見えて増加した。ストレスを抱えている患者が増えたのではなく、コロナ以降、ストレスを意識する人が増えた」と分析する。

 

 サプリメント・機能性表示食品のブランドオーナーへの取材では、コロナ禍には、「2020年以降、ストレス・メンタルケア、睡眠サポートサプリメントの売上増は顕著だった」「購買者を分析したところ、新規のユーザー開拓が進んだ」「マッサージ店や温泉、サウナ、リラクゼーション施設など、販売チャネルが拡大した」などの声が多く聞かれた。一方、今回のアンケート調査での各社のコメントを見ると、「体感性を高める商品設計を重視している」「睡眠の質向上、便通改善、美肌など、ストレスの軽減・緩和と親和性の高い訴求が強く求められている」「月経対策をはじめ、フェムケア分野での商品開発が欠かせない」とするなど、コロナ禍で開拓した新規ユーザーのリーピート獲得に向けた処方・形状開発や素材探索に注力していることがわかる。

 

 「ストレス」を含むヘルスクレームで受理された機能性表示食品は1,000品超(撤回品等含む)に。「快眠」「疲労」表示とのダブル・トリプルヘルスクレームで受理されているケースが多い。商品形態は、サプリメント、飲料、チョコレート、のど飴から生鮮食品まで。有名アパレルブランドやコンタクトレンズ大手、老舗食品メーカーなど、新規参入は後を絶たない。関与成分はGABA、乳酸菌、グリシン、テアニン、ラフマ由来ヒペロシド・ラフマ由来イソクエルシトリン、5-アミノレブリン酸リン酸塩など多岐にわたる。表示内容は、ストレスでは「一時的な精神的ストレスや疲労感の緩和」「一過性の作業にともなうストレスの軽減」、睡眠では「睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)の向上」「起床時の疲労感や眠気の軽減」など。乳酸菌を関与成分とした「ストレス緩和」「睡眠の質を高める」表示の筆頭は『Yakult1000』(ヤクルト本社)。2021年に全国販売に踏み切った同品は、抗ストレス食品市場拡大の起爆剤となった。販売本数は発売以来、高位安定しており、1日当たりの販売本数は325万本(2025年3月期)を見込む。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1811号(2025.5.7)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら