特集【コエンザイムQ10】 エイジングケアの筆頭素材、再脚光

 CoQ10は、2001年3月の食薬区分の改正により食品として利用可能になった。強い抗酸化作用を有し、生命維持に必要なエネルギー産生に関わる補酵素として重要な役割を果たす。機能性研究では、これまでに抗疲労作用、運動機能改善作用、心機能改善作用、ドライマウス改善作用、美肌作用、肝機能改善作用、骨粗鬆症予防効果、血糖コントロール改善作用、睡眠の質改善作用、認知機能改善作用など、様々な研究成果が報告されている。

 

 市場では、「酸化型」と「還元型」の2種類のCoQ10原料が流通。「酸化型」は、体内で還元型に変換され、各臓器に運ばれ利用される。乳化技術や包接技術により水溶化させることで、体内での吸収性を高めた原料などがある。「還元型」は、体内での変換の必要性がなく、そのまま体内で力を発揮するといった特長を持つ。世界で初めて還元型CoQ10の大量生産技術を確立させたカネカやペトロユーロアジアが還元型原料を取り扱う。カネカは、国内外で還元型CoQ10の原料・OEM供給を展開。国内市場では、機能性表示食品対応素材として利用が拡大。「疲労感軽減」「睡眠の質の向上」「お口の潤い維持」「肌のうるおい維持」などに加え、昨年12月には、「肌のターンオーバーの維持」が謳えるようになった。累計受理数は90品を超え、「肌のターンオーバーの維持」については、「複数社が届出準備中」だという。「酸化型」の主な原料サプライヤーは、日清ファルマ、横浜油脂工業、三菱ケミカルグループなど。原料価格はキロ当たり8〜10万円前後。水溶化コエンザイムQ10の「アクアQ10」シリーズを手掛ける日清ファルマは、既存顧客の安定受注に加え、新規顧客への採用も複数社あり、供給量は前年比を超えた。横浜油脂工業は、顧客ニーズに合わせて、乳化・水溶化粉末・原末の3種5アイテムを供給。新たな取り組みでは、機能性表示食品対応原料の取り扱いを開始した。

 

 流通する最終製品は、美容、エイジングケア、抗疲労を訴求した商品が多い。特に、NMNサプリメントに配合されている商品が目立つ。原料メーカーからも、「人気のNMNに、抗酸化成分として認知の高いメジャーなCoQ10を採用するケースが増えている」といった声が多数聞かれており、新たな顧客獲得に繋がっている様子がうかがえた。また、フェムケア商材の注目度が増す中、加齢による卵子の質の低下は、ミトコンドリアのエネルギー産生効率の低下と関係していることなどから、妊活サポート商品も増えている。機能性表示食品では、「睡眠の質の向上」の受理品が目立つ。つづく

 

 

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