特集【セラミド】 「肌の潤い維持」、機能性表示食品240品を突破
近年の脂質研究の推進によって重要性がますます認識されているセラミド。肌の「潤いを守るのを助ける」「バリア機能を維持する」「肌の弾力を維持する」など、保湿をテーマにグルコシルセラミドを機能性関与成分とした機能性表示食品は241品に(4月9日現在)。前年の同期比では14%の増加。肌への有効性をテーマにした機能性表示食品において、セラミドは関与成分別でトップ。抜群の存在感を見せている。人気の要因は、由来植物のバリエーションの豊富さ。現在受理しているグルコシルセラミドの由来植物は、パイナップル(101品)、米・米胚芽(99品)、コンニャク(31品)、トウモロコシ(4品)、桃(2品)、麹菌(1品)、じゃがいも(1品)、醤油粕(1品)、エノキタケ(1品)とバラエティーに富む。
素材が持つイメージや味への影響、有効量や価格など、採用基準が数多くあるのもセラミドの特長だ。現在、新たなセラミドの開発に向け準備を進めている企業もあり、さらに市場拡大が期待される。グルコシルセラミドは、スフィンゴ塩基と長鎖脂肪酸がアミド結合した化合物にグルコースが結合した複合脂質の総称。角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層に分かれるヒトの皮膚構造の内、表層である角質層を構成する細胞間脂質の主成分がセラミドとなっている。細胞間脂質は角質の細胞と細胞の間にある特殊な脂質で、細胞同士を接着するだけでなく、その間に水を挟み込む性質を持つことから、高い保湿作用を持つのが特長。最近の研究では、認知機能の改善や免疫賦活など新たな機能性も確認され、このほどオカヤスが実施した研究では『ピーチセラミド』に、腸内善玉菌の増殖を促進する効果も確認されるなど、新たな魅力が見出されている。
ここ数年、フリー体セラミドを規格化する動きが活発化している。『オリザセラミド®』を販売するオリザ油化では、新たな規格として「フリーセラミド(Elasticamideを含む)」を追加。同社によると「ヒト型セラミドである Elasticamideの米における単離・同定は世界初」だとしている。一般的にセラミドの規格成分はグルコシルセラミドとなっているが、ヒトの角層にはグルコシルセラミドから糖分子が外れた「セラミド」が構成成分として存在している。植物由来グルコシルセラミドと区別するため「ヒト型セラミド」や「フリーセラミド」と呼称されており、近年注目を集めている。オカヤスもフリー体セラミド10%で規格した新原料を開発。ジェヌインR&Dでも『柚子粕フリーセラミド』を用いた分子種解析で、38種のフリーセラミド分子種を確認している。フリー体セラミドは、グルコシルセラミド同様に肌の保湿作用を持つが、これに加えシワの改善や、細胞の核内受容体となるPPARの活性化、高脂血症や糖尿病の予防作用などが研究によって確認されるなど注目を集めている。つづく
詳しくは健康産業新聞1810号(2025.4.16)で
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