特集【グルコサミン】 機能性表示食品、NAGが牽引

 グルコサミンは長年に亘り、関節サポート素材の代表格として高齢者ユーザーに支持されている。競合素材が台頭する中でも、体感性に加え、認知度が高いグルコサミンは底堅い需要があり、国内流通量は前年並みの1,300t台を維持したと推測される。機能性表示食品では、「関節」「肌」カテゴリーで240品を超える。ここ数年は、N-アセチルグルコサミン(NAG)を機能性関与成分とした受理件数が増加。良質な甘味などから一般食品への利用が進み、市場全体の底上げに繋がっている。また、機能性に関するエビデンスデータの蓄積が進み、新たなヘルスクレームでの届出準備を進める動きがみられる。

 

 主な原料サプライヤーは、甲陽ケミカル、プロテインケミカル、中原、焼津水産化学工業、扶桑化学工業、フリーマンニュートラグループ、バイオメディカルウェルネスなど。グルコサミン塩酸塩の原料価格はキロ当たり、中国産で1,000~2,000円台、国内精製を加えると3,000~4,000円台、国産品は6,000~8,000円台で推移する。価格改定を実施した事業者も少なくない。各社、原料種類、供給体制、品質管理、エビデンスデータなどで差別化。甲陽ケミカルは、今春からベトナムの協力工場で製造し、国内自社工場で外装仕立て直しと製品分析を行うグルコサミン原料の供給を開始。「価格メリットが打ち出せる製品として提供できる」としている。中原では顧客ニーズに応じたグルコサミン原料をラインアップ。打錠性の高い国内製造の『顆粒グルコサミン』を差別化原料として提案を進める。

 

 ヒアルロン酸生成促進作用を有するNアセチルグルコサミンは、焼津水産化学工業、プロテインケミカルなどが供給。少量で効果が期待できる点や味の良さなどに加え、機能性表示食品対応素材である点をアピールポイントに展開している。グルコサミン、N-アセチルグルコサミンを活用した機能性表示食品は「関節」「肌」カテゴリーで240品を超える。ここ数年は、N‐アセチルグルコサミンの受理件数が増えている。昨秋には、日清ヨークが「ピルクル」ブランドから、手軽に“ひざケア" ができる機能性表食品として乳酸菌飲料を投入。今年もサプリメント『ひざ腰習慣』(アリナミン製薬)、カフェインレスコーヒー『DECAF & SKIN CARE COFFEE』(ユニマットキャラバン)、清涼飲料水『ぎゅっとグルコサミン』(ヤクルト本社)など、各社から新商品が上市されている。穀物などを原材料に発酵生産した微生物キチンから製造した発酵グルコサミンは、プロテインケミカル、中原、甲陽ケミカル、バイオメディカルウェルネスなどが供給。“アレルギーフリー” “ヴィーガンフリー”のほか、“サステナブル”の観点からも関心が高まっている。原料サプライヤー各社への取材からグルコサミンの国内流通量は1,300t台をと推測される。つづく

 

 

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