特集【プラセンタ】 エクソソーム含有や植物由来プラセンタに注目
ブタ・ウマ胎盤由来のプラセンタの主な原料サプライヤーは、スノーデン、ホルス、日本ビオファック、三共バイオケミカルズ、佳秀工業、一丸ファルコス、東洋酵素化学、ホスミン栄養化学工業など。原料価格は、ブタは5〜10万円台/kg、ウマ9〜30万円以上/kgと幅広い。サプライヤー各社では、安定供給や機能性研究に加え、付加価値提案にも注力している。東洋酵素化学や日本ビオファックでは、ブタプラセンタの安全性と安定供給体制を構築。豊富なエビデンスデータを持つスノーデンをはじめ、ホルス、佳秀工業では、ブタ・ウマプラセンタのヒト試験による肌の保湿、睡眠の質改善、更年期障害のサポートなど、中高年女性向けのエビデンスを積み上げ、差別化を図っている。
また、エクソソーム含有プラセンタの提案も活発化している。エクソソームは、細胞から放出される50nm程度の小胞体。タンパク質で形成されており、生体内の優れた伝達物質と知られている。化粧品原料としては4〜5年前からブームとなっているが、健食業界でも最近注目されてきている。一丸ファルコスやホルスは、健食業界でいち早くエクソソーム含有プ ラセンタを提案。エクソソームの数を規格化した原料も有し、着々と製品化が進む。実際、エステサロンを運営するグラツィアでは、エクソソーム入りのプロテインやサプリメントが人気といい、エステ業界では、エクソソーム入りプラセンタは人気アイテムとのこと。
一方、動物由来プラセンタの販売が禁止されている国や、大手化粧品メーカー向けに、「プラセンタ様成分」の活用も進んでいる。魚類や植物の受精が行われる胎盤や胎座に着目し、プラセンタと同等の作用を持つ素材の研究が進み、幾つかの原料が開発され、国内外の販売も広がっている。協和薬品は、サケ筋子由来のプラセンタ様成分『サーモン・オバリー・ペプチド』を展開。「肝機能改善」「血糖値改善」などのエビデンスを蓄積している。ハラール認証にも対応することから、国内に加え、インドネシアやタイへの販売も進めている。ホスミン栄養化学工業は、産学官連携でパイナップル由来のプラセンタ様成分を開発。プラセンタとの併用で、プラセンタ単体より5.6倍の美白効果を確認済み。グループのプランドゥシー・メディカルを通じて、化粧品の販売を展開。現在は食品・サプリ用原料の開発も進める。他にもバラやメロン、大豆を由来とした原料が流通。イメージの良さに加え、動物由来にはない機能性で利用が進む。
プラセンタ配合製品は、エステサロンをはじめ、通販、店販まで幅広く流通している。全国のエステサロンに販路を持つドクターズセレクトでは、『320000プラセンタドリンク』の累計販売数が、間もなく1億本に到達するという。直営サロンでは、中国人のインフルエンサーがプラセンタドリンクを指名買いするなど、インバウンド需要も取り込んでいる。銀座ステファニー化粧品では、TVショッピングや通販を通じ、固定客を中心に、プラセンタサプリの安定した売上を維持。特にQVCでは、1日で数億円を売上げるなど、同ショッピングの看板商品になっている。DgSルートでは、マルマンH&Bのブタプラセンタサプリが定番品となっている。昨年3月に発売したプラセンタとリポソームビタミンCを配合した新製品も安定した売れ行きという。この他、ヘム鉄とプラセンタを組み合わせ、産後ケア製品として販売する企業など、人気素材との組み合わせ提案も多く見られる。つづく
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