特集【機能性糖質・甘味料】 製糖業界、 健康基軸の戦略鮮明に
製糖メーカーによる砂糖を原料とした機能性糖質・甘味料の研究開発が活発化している。砂糖は、ブドウ糖と果糖が結合した2糖類でできているが、各社、酵素技術等で結合を変えることにより、様々な機能性糖質を製造している。砂糖由来では、オリゴ糖をはじめ、ケストース、サイクロデキストラン、パラチノースなどがあり、どれもショ糖と比較して糖度は低いが、様々な生理機能を有する。腸内環境改善、持久力維持、歯垢沈着抑制など、ある程度の甘みを持ちながら、砂糖にはない機能性による付加価値提案が行われている。これらの原料は、サプリメントはじめ、ドリンク、製菓向けに、砂糖に代わる糖質として配合が進んでいる。ここ最近では、ステビア草由来の甘味料が、プロテインやリラクゼーション系ドリンクに採用が増えている。ステビアの安全性が改めて見直され、人工甘味料からの切り替え等、順調に伸ばしているという声も聞かれた。
機能性甘味料の売り場では、アガベ・オリゴ糖・メープルシロップ、ラカントなど、年々売り場面積が拡大している。特に、スーパーやDgSの卓上甘味料売り場は、競争が激化している。多くの売り場を占めるのが、オリゴ糖の卓上甘味料だ。腸活などをキーワードに、整腸、食物繊維摂取などを訴求し、消費者の関心を引き寄せている。オリゴ糖が棚を占める中、サラヤは昨年、「ラカント」シリーズから初の機能性表示食品『ラカント フローラビオ』を発売。「ラカント」は、ダイエットを行う若い女性層の顧客を持つことから、卓上甘味料市場での新たな顧客層の取り込みに期待が掛かる。その他、「アガベシロップ」「希少糖」「メープルシロップ」など、呈味と自然由来、低GIなどを売りに、幅広い層から支持を集めている。卓上甘味料製品を販売するメーカーからは、「2021〜23年の売上は、前年比2ケタアップが続いた」といった声が多く聞かれた。2024年は、伸び率は鈍化したものの、大半の企業からは微増という声が聞かれた。また、家庭向けの小売りに軸足を置きながら、バルク販売、原料提案も強化している。実際、ラカントやオリゴ糖は、ドリンクやバー、プロテインはじめ、製菓にも配合が進んでいる。つづく
詳しくは健康産業新聞1810号(2025.4.16)で
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