特集【免疫サポート】 コロナ収束後も、”免疫ケア”へのニーズ続く
コロナ収束後も免疫対策に対する国民の意識は高い。TPCマーケティングリサーチが、健康食品を週1回以上摂取している20~70代の男女1,236人を対象に昨夏実施した「健康と栄養に関する意識・実態」調査によると、健康食品に期待する健康効果で、「免疫力向上」(24%)は、「特定の栄養成分の補給」(41%)に次ぐ2位だった。2023年調査も同様に2位(22%)で、依然として高いニーズがあることがうかがえる。本紙が定期実施している健食受託加工・製造調査の「受注件数が伸びている分野」でも、「免疫サポート」は2024年(12月)、2023年(12月)共に4位にランクイン。成長が期待できるカテゴリーの1つになっている。
日々の“免疫ケア”が浸透した背景には、機能性表示食品の存在が大きい。「健康な人の免疫機能の維持に役立つ」機能性表示食品は2020年、キリンホールディングスが開発した「プラズマ乳酸菌(L. lactisstrain Plasma)」で初めて受理された。その後、アサヒグループが展開する「L-92乳酸菌(L. acidophilus L-92)」、キユーピーが展開する「酢酸菌GK-1(G. hansenii GK1)」を機能性関与成分とした免疫領域の機能性表示食品が登場。この3成分を用いた機能性表示食品の累計受理数は150品を超える。免疫機能以外のヘルスクレームを加えた受理品も増えている。新たな動きでは、1月に神戸製鋼グループのミカレアが「免疫表示」で機能性表示食品を受理。機能性関与成分は、「ユーグレナグラシリスEOD-1株由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)」。臨床試験かつ藻類原料として初の免疫表示となる。さらに、免疫表示で実績のある従来の「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を起点とした作用機序とは異なり、「免疫細胞(単球、ナイーブT細胞)」が関与することを表示した初の受理となる。
機能性表示食品以外にも、免疫領域をはじめとするエビデンスデータを有するサプリメントは数多く流通する。アガリクス、メシマコブ、霊芝、ローヤルゼリー、キャッツクロー、植物多糖体、米ぬかアラビノキシラン、カムカム、リポポリサッカライド、フコイダン、ツルアラメ、有機ゲルマニウム、フルボ酸、亜鉛酵母――など、特色ある機能性素材が利用されている。機能性表示食品の広がりに伴い、販売チャネルも拡大。従来のクリニックなどの医家向けや、ネットワークなどに加えて、通販やドラッグストアなどのオープンマーケットにも広がりを見せている。つづく
詳しくは健康産業新聞1810号(2025.4.16)で
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