【特別インタビュー】 リハビリ+栄養指導+水素吸入で、サルコペニアの予防・改善
法政大学人間環境学部教授/下北沢西口クリニック院長 医学博士 宮川路子先生
業界で多くの話題を集め、異例の大ヒットとなった前著から2年、今年3月1日に新著『人生100年の健康づくりに医師がすすめる超最強の水素術』(全日本ボランティア連盟)を発刊した法政大学人間環境学部教授で下北沢西口クリニック院長の医学博士・宮川路子先生。医師として1,500人以上の患者に水素栄養療法を導入してきた著者が、水素の多岐に亘る効能や自身の療法による治療実績に対し、世界中の論文による裏付けと共に、丁寧に解説。水素栄養療法による健康寿命延伸のための実践方法が詰まった一冊となっている。水素の可能性に魅せられ、水素の伝道師として活躍を続ける宮川先生に話をうかがった。
──新刊の内容について
宮川氏 基本的には、前回出版した書籍の内容を踏襲していますが、この2年の間に得た新たな知見により、訂正・追記を行っています。例えば、法政大学大学院で指導した院生の論文から、リハビリテーションと栄養指導に水素吸入を追加することで、サルコペニアの大幅改善に繋がったという症例研究などを新たに掲載しています。サルコペニアとは、加齢に伴う骨格筋肉量の減少と筋力の低下、それによる歩行速度の低下などの身体機能低下を併せた病態で、要介護状態となるリスクの高いフレイル(虚弱)の原因の1つとされています。
今回の症例では、80代の女性患者を対象に、3ヵ月間に亘り、週3回のリハビリテーションと栄養指導に加え、リハビリ実施前に60分間の水素吸入を行った結果、3ヵ月後に身体機能の向上、炎症マーカーの減少、栄養状態の改善が見られ、通常のリハビリと栄養指導の効果を大幅に上回る結果となりました。水素のサルコペニアに対する有用性を確認した研究は、本件が世界初となります。水素にはコラーゲンのダメージの抑制により骨粗鬆症の予防・改善に対する効果も期待されていますので、恐らくサルコペニアにも良いだろうと考えて、実際にプレ試験として実施したところ、予想以上の成果が出ました。まだ1例ですが、今後対象者を増やしていきたいと思っています。健康寿命延伸の観点からも、水素リハビリ療法の導入が進むことを期待しています。
──健康産業界への提言について
宮川氏 高齢者の方々には、特に水素を採り入れて欲しいですね。前述のサルコペニア対策としてももちろんのこと、水素の快眠効果は、高齢者の睡眠薬摂取の低減に貢献します。夜間トイレに起きた際、睡眠薬をのんでいるとふらふらして転倒転落事故に繋がり、骨折、入院、寝たきり、認知症へと進みますから、睡眠薬をのまずにぐっすり眠ることはとても重要です。他にも認知症、パーキンソン病、白内障、緑内障など、加齢に伴う様々な疾病の予防・改善はもちろん、高齢者のQOL向上に対して、水素は非常に有益だと考えています。つづく
詳しくは健康産業新聞1810号(2025.4.16)で
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