【調査データ解説】 水素商材市場の最新情報をレポート

【経営状況・業況】

◆25年上期の市場も上々の滑り出し、通期では7割が増収見込む

 今年上期の経営状況について「良かった」との回答は、昨年調査と比較して0.6ポイント増の54.3%となった。「良かった」と回答した企業からは、「水素吸入器の売れ行きが好調だった」「医療機関向けの水素吸入器の導入が進んでいる」「水素入浴料の売れ行きが伸びた」「サプリ用の水素原料の供給が好調だった」「水素トリートメントのOEMが好調だった」―― といった明るいコメントが多く聞かれた。また、今年上期の売上高が前年同期を上回ったと回答した増収企業も6割に達した。また、今年通期の経営見通しを聞いた調査では、「良くなる」と回答した企業は、昨年調査より10.7ポイント増の71.7%となった。売上・増減率回答のあった企業の内、今年通期で増収を達成する見込みと回答した企業は、同0.7ポイント増の74.4%となっている。つづく

 

【取り扱いアイテム】

◆水素吸入器器の取扱企業が増加も、販売チャネルによって明暗

 今回、各社に水素商材の取り扱いアイテムを複数回答で聞いた調査では、水素吸入器が25票でトップ。以下、水素水生成器(サーバータイプ、スティックタイプ含む)が24票、水素サプリメントが18票、水素化粧品が17票と続いた。やはり話題の水素吸入器を取扱う企業が増加傾向にある。現状、業務用大型タイプは医療機関を中心に導入が進んでいるものの、家庭での利用を見込んで開発された卓上型の水素吸入器は苦戦している。宣講販や催事など体験・説明販売チャネルを持つ企業、アスリートをターゲティングしている企業の中には、年間1万台以上の販売実績を上げるところも見られるが、同分野では、この4〜5年の間で市場参入・撤退と、プレーヤーがコロコロ変わる状況が続いている。苦戦の背景には、水素吸入に対する一般認知度の低さが挙げられる。そこで、一般消費者に体験して貰う場を設けることが重要となる。東京商工リサーチの調査では、2023〜24年に掛けてエステサロン、フィットネスジム、美容室の倒産件数が過去最高だったという。これら施設では生き残りを掛け、客単価を上げるために付帯サービスや物販に注力する動きが見られる。水素吸入器による付帯サービスを導入する可能性も高まっている。エステや美容室などへの導入を通じて、水素吸入を体験して貰い、購入に繋げる取り組みが必要となる。つづく

 

【販売チャネル】

◆医療・美容等、施設導入が順調 

 各社に原料供給、卸売・直販、OEM供給先を複数回答で聞いた調査では、「メーカー・商社」は、昨年調査と同じく化粧品、健康・医療機器、健康食品のトップ3は変わらず。「店舗販売」でも、昨年調査と同様、薬局・薬店・DgSと健康・自然食品専門店、百貨店がトップ3。「無店舗販売」でも昨年調査同様、通販、ネットワーク(MLM)、宣講販がトップ3となった。通販にはメーカー直営のオンラインショップも入るため、得票数と売上規模は必ずしも比例はしないが、なかにはSEO対策やSNS、WEBマーケティングを駆使して売上を伸ばす企業も数社見られる。「施設」は、昨年調査同様、エステサロンがトップ。2位は昨年3位の治療院・施術院、3位は昨年トップタイの医療機関となった。4位には昨年6位の理美容室がランクアップ。前述の通り、エステサロンや理美容室が水素商材の導入に動いている様子がうかがえる。この他、動物病院・ペットサロン、ペットホテルなどの回答も6票見られた。つづく

 

【海外展開状況】

◆6割が海外輸出実績あり、欧米・アジア中心に輸出実績国増える

 海外輸出実績については、「輸出実績がある」との回答が昨年調査より3ポイント増の59.1%となった。輸出実績のある国については、今回もトップは中国(香港含む)。2位の台湾、3位の米国など上位は昨年と変わらず。ロシア、オーストラリアもランクインした。他にもスペイン、ポーランドなど欧州諸国、ドバイ、サウジアラビアなど中東諸国の回答も見られた。輸出実績があると回答した企業に、総売上高の内、輸出の占める割合を聞いた調査では、1〜9%が4割で最も多く、10〜29%が3割。なかには50%以上、70%以上と、海外市場を主戦場とする企業も見られた。今後の見通しを聞いた結果、「さらに伸びる」との回答は6割を超えた。つづく

 

 

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