特集【水素】 25年上期、過半数が「経営良好」! 順風満帆 のスタート
2024年通期の水素商材市場(メーカー出荷金額ベース)は、前年比12.4%増の約265億4,000万円で、2年連続で市場は2ケタ成長となった。 2025年の水素商材市場は、いよいよ300億円に到達できるのか ―― 。本紙編集部では、今年3月中旬から4月初旬に掛け、水素商材の主要メーカーへの訪問取材および、取扱各社にアンケート調査を実施。46社より回答を得た。25年上期の経営状況について、「良かった」との回答は、昨年調査と比較して0.6ポイント増の54.3%となった。また今年上期の売上高が前年同期を上回った増収企業は6割に達しており、23年からの好調をキープしていることがうかがえた。
各社の取扱アイテムを複数回答で聞いた結果、昨年調査と同様、水素吸入器がトップとなった。水素吸入器は前述の慶應義塾大学の論文発表を受け、23年以降、前年比2〜3割増で伸長しているアイテム。ただし、医療機関や治療院等をターゲットに導入を進めている業務用のメーカー以外、家庭での利用を見込んでいる小型機種や卓上型のメーカーは、ここ4〜5年で次々に入れ替わっている状況だ。背景には、一般消費者の水素吸入に対する認知度が、まだまだ低い点が挙げられる。宣講販やMLMなど説明や体験ができる販売チャネルの取引先を持つ企業と比較すると、販売台数に大きな差が見られる。
ただ、コロナ禍を機に来店客の激減、特例貸付けの返済不能などにより、スポーツジムやエステサロン、理美容室の倒産件数が過去最高と言われる中、全国展開するスポーツジムの中に、水素吸入器を導入するところが出始めたほか、エステサロンや理美容室、治療院・施術院、健康サロンなどでも、生き残りをかけて付帯サービスや物販用に水素商材を取り入れるケースが増えている。水素商材メーカーにとっても、これら施設は一般の健常者が水素吸入を体験する窓口になる上で、押さえておきたい販路となるだけに、今年は双方のマッチングが進みそうだ。
水素吸入器以外にも、25年上期に売れ行きが良かったアイテムは、水素サプリメ ントをはじめ、フェイスマスク、トリートメント、入浴料を含む水素化粧品など。こちらも24年通期の市場が前年比25%と、大幅伸長しているアイテムだ。業務用に水素吸入器や水素水サーバーなどを導入している医療機関や各施設が、物販用に水素サプリメントや水素化粧品などを採用するケースが増えている。また宣講販やMLMなど対面販売チャネルも同様の動きを示している。新菱では、『高濃度水素ゼリー』のノウハウを活用し、1剤式の水素トリートメントを開発。バラエティストアやドラッグストアを主戦場とするネイチャーラボやマツモトキヨシ(PB)に採用され、OEM供給量が飛躍的に伸びているという。高濃度水素ゼリー、水素トリートメント共に、現在も大手・有力企業との商談が続いているとのこと。
水素サプリメント分野では現状、ディーエイチシー以外に有名企業の取り扱いはないが、昨年には銀座まるかんが市場参入し話題を集めた。今回の取材では、「大手・有力企業からの原料・OEM案件が増えている」というサプライヤーからのコメントも複数聞かれている。これら大手・有力企業のどこか1社でも市場参入してくることで、水素サプリメント市場が大いに活気付く可能性を秘めている。つづく
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