【話題追跡】 グローバ ルトレンド軸に、ビジネスチャンス広がる化粧品市場

 調査会社Panorama Data Insightsによると、世界のナチュラルコスメ市場は、年平均成長率11%で成長し、2030年前に1,000億ドル超になると予測。環状シリコーン化合物を0.1%以上使用した製品の販売が禁止されている欧州や、紫外線吸収剤に対する規制の厳しい米国など、化粧品に対する欧米の規制強化も影響し、グローバルトレンドとして、化粧品の効果と共に、環境に優しく、有害な化学物質を含まない製品を消費者が支持する傾向が高まっている。

 

 国内の化粧品市場は、売上が過去最高の1兆7,000億円台となった2019年以降、コロナ禍で落ち込むものの、昨年まで2年連続で回復基調に。さらなる拡大が期待される取り組みとして、大手を中心に研究開発も進化している。昨年は、肌ラボシリーズで「好き」の感性評価を数値化したロート製薬
や、アクセンチュアと共同で開発した独自のアルゴリズムを用いた処方開発AI機能を本格化異動した資生堂、医療法人と連携しiPS細胞を用いた商品提供の実証実験に着手したコーセー、アイスタイルと共同で「RNA共創コンソーシアム」を設立し、新たなビジネス共創に着手した花王などが話題に。化粧品市場では、今後、従来の事業の枠を超えた組織体制の再編や、知識・経験を効率的に共有する協創モデルが重要視されてくる。

 

 原料サプライヤーや受託・OEMメーカーからは、「美容機器関係など従来なかった事業者からの問い合わせが増えている」「新興企業の参入が増え、短納期での対応を求める声が多い」などの声があり、スタートアップとして新たに市場参入する事業者の増加が継続している。受託案件では、世界的に高まる環境規制の厳格化やSDGsの高まりを踏まえた「サステナビリティ」や、「パーソナライズ」などの要望が高まっている。今年5月には日本化粧品原料協会連合会主催の第12回化粧品産業技術展「CITE Japan 2025」が過去最大規模で開催される。技術発表会は、各国の規制に準じた従来成分の代替原料なども含む211本を予定。最新の市場トレンドを掌握し、新たなビジネス獲得に繋げるチャンスだ。つづく

 

 

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