特集【カプセル技術】 製品開発の高機能化を強力にアシスト
カプセル製剤は、医薬品、医薬部外品、健康食品・サプリメント、化粧品など、幅広い用途で使用される。サプリメントにおけるカプセル製剤開発のメリットは、ニンニクやトウガラシ(カプサイシン)など味や臭いで刺激のつよいものをそのまま食べられる利便性や、内容成分の安定性の向上、1回当たりの摂取量の設計しやすさ、取り扱いやすさなどがある。製造工程においては、充填する原料の酸化など品質劣化の原因と物理的要因が少ない点や、賦形剤を入れず高い比率で配合できる点などのメリットがある。受託メーカーでは、カプセルのサイズや形、色、印字のカスタマイズオプションによる差別化と共に、利用形態やユーザー志向、成分の訴求や組み合わせに応じて、様々なカプセル化技術による製剤化を進めている。
ハードカプセル市場は、供給タイトだった状況はほぼ回復しており、乳酸菌やNMNなどニーズの高い人気素材を中心に堅調に推移している。ハードカプセルの利点は、製造工程で光沢剤や崩壊剤などの賦形剤を入れなくても充填でき、早期の商品化に寄与する点がある。原料別でみると、ニンニクなど胃粘膜への刺激が強いはもとより、腸活・免疫対策の製品開発で「耐酸性」「腸溶性」を訴求する乳酸菌、ビフィズス菌をはじめ、油脂とは馴染みにくいNMNなどの製品開発に活用される。また、非変性Ⅱ型コラーゲンなど熱に弱い成分を成分を含む原料や、水分で安定性が著しく損なわれるビタミンCやB群などのビタミン類など、「耐熱性」「吸湿性」を要する原料の課題解決にも幅広く活用されている。
一方、ソフトカプセルの利点は、製造工程に加熱・加圧工程がなく、内容液の密封性・安定性に優れる点を特徴とし、DHAやスクワレン、アマニ油などオイル状の成型加工が可能な点がある。内容物の味や色、臭いなどのマスキング効果に加え、適度な比重と弾力性により、喉や食道に抵抗感なく飲みやすい製品形態として提案できる。カプセル皮膜の色や味、形などの選択肢も豊富で、固形剤と比べて製品設計の自由度が高い点も強みだ。原料別でみると、ニンニクやDHA・EPA(魚油)、鮫肝油など戻り臭が気になる原料をはじめ、還元型CoQ10など酸化NG原料、ルテインやウコン(クルクミン)、アスタキサンチンなどの色素系油脂、ビルベリーやカシスなど色素系成分の製品開発に活用される。なお、打錠等で崩壊性遅延などが懸念されるヒアルロン酸は、ハード・ソフトカプセルの両方で製剤開発の実績がある。つづく
詳しくは健康産業新聞1809号(2025.4.2)で
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