ZOOM UP【牡蠣】 抗疲労のニーズ増で、若い世代に商機
カキは、クロム、マグネシウムなどのミネラル類、ビタミンB、Eをはじめとしたビタミン類、グリコーゲン、タウリンなどを豊富に含む。なかでも、体内で作ることができない必須微量ミネラル・亜鉛の含有量は、食品中で突出しているほか、タウリンもトップクラスの含有量を誇る。「国民健康栄養調査(令和5年)」で示された栄養素等摂取量の数値と「食事摂取基準2020」で示された推奨量を照らし合わせると、亜鉛は、成人男女の各世代で摂取不足に。鉄も若い世代の男女で摂取不足がみられる。こうした調査からも栄養価の高いカキが再評価されている。
カキ健食の末端製品ではサプリメント、飲料、ゼリータイプなどが流通。活力サポートや、肝機能サポート、日々の健康維持を訴求した商品が多い。体感商材としてリピート率が高く、一定のユーザーが根付いている。10~20年と長年に亘り販売されているロングセラー商品も少なくない。創立50周年を迎えた日本クリニックは、全国の相談薬局・薬店でかき肉エキス配合サプリメント「バランスターWZ」シリーズを展開。今春には新商品を上市する計画だ。機能性表示食品では、「疲労感の軽減」「睡眠の質(夢み)の向上」「ストレス(イライラ感)緩和」を謳える商品が受理されている。また、近年はアンチ・ドーピング認証を受けた商品も複数品あり、スポーツ領域での利用も広がっている。
新たなユーザー獲得もみられる。原料・販売メーカーからは、「抗疲労向けのサプリメントに採用されている」「疲労対策向けに購入者する女性が増えている」などの声が聞かれた。日本リカバリー協会が昨年、全国の20〜79歳の男女10万人を対象に実施した「ココロの体力測定 2024」によると、全体の約8割の人が「疲れている」と回答。20〜40代の疲労度が高く、特に30代が最も疲れている結果が示された。抗疲労分野におけるニーズは高いだけに、体感性に優れ、認知度が高いカキ商材は、若い世代にも広がるポテンシャルを十分に持っている。つづく
詳しくは健康産業新聞1808号(2025.3.19)で
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