特集【ローヤルゼリー(RJ)】 市場規模、 前年比微増の296億円

 RJの栄養成分は、抗炎症作用を持つデセン酸が代表的で、その機能性研究は多岐に亘る。その他、必須アミノ酸、ビタミン類、ミネラル、コリン、γ-アミノ酪酸等を豊富に含んでいる。日本では、1950年代から健康食品素材としてRJが利用されてきた歴史を持つ。現在でも資生堂や明治など大手化粧品・健食メーカーの美容サプリからエナジー系ドリンクまで、様々な製品に長年利用されている。RJ製品の主な販路は、自然食品店や百貨店、MLMなど。RJをメインとしたサプリメントの多くは、5,000円~ 2 万円以上の高価格帯となる。ドリンクタイプでも量産品を除けば500円以上の製品が多い。一方、低価格の『リアルゴールド』『デカビタC』など、栄養炭酸ドリンク類は、薬局やコンビニ、スーパーなど多くの販売チャネルを持つ。これらドリンクには、主要サプライヤーのRJが採用されているが、「大きな伸びはないものの、供給量は安定している」という。RJは成熟したマーケットのため、新規顧客の獲得は難しいが、逆に浮き沈みのない安定市場と言える。

 

 国内のRJ主要企業が加盟するRJ公正取引協議会によると、同協会が2024年度に発行した証紙枚数は、合計 56万140枚となった。前年の64万1,600枚と比較して87%となり、同協会内のRJ販売はここ数年減少が続いている。公取協による証紙発行枚数は減少しているが、RJ輸入量は順調に伸びている。通関統計によると、2024年のRJ輸入量は307t(2023年240t)となり前年比27%増となった。通関統計量では、生RJと粉末RJが混在しているが、生は粉末の倍近く輸入されていると言われる。主な輸入国は中国が295tと9割以上を占め、台湾10t、タイ1.4tと続く。RJの国内主要サプライヤーは、アピ、森川健康堂、JRJ、クインビーガーデン、秋田屋本店など。いずれも老舗企業であり、堅調な原料供給体制が続いている。2024年市場では、「昨年末以降、RJの引き合いが増えている」「アジア中心に輸出量が2ケタ増となった」など、肯定的な意見が複数聞かれた。「健康博覧会2025」でも、タイや中国の初出展企業が、RJ原料提案を行った。タイのサプライヤーからは、「エステなど美容業界の関心が高かった」とコメント。輸入量推移や、サプライヤー各社への取材・調査などから算出した2024年度のRJサプリメントの市場規模は、前年比3%増の推計296億円となった。つづく

 

 

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