特集【注目のダイエット食品】 機能性表示、「脂肪」 が人気

 ダイエット訴求の機能性表示食品は、大手企業から中堅企業まで特色あるサプリメント、飲料などが流通する。ファンケルが昨秋に上市した機能性表示食品『プレミアムカロリミット』は、発売から約5ヵ月の売上が計画比約130%と好調に推移する。ドラッグストアの売り場では、「腹部(おなか)の脂肪を減らす」「ウエスト周囲径を減らす」「糖の吸収を抑える」「内臓脂肪と皮下脂肪を減らすのを助ける」「脂肪の燃焼を高める」「腸内環境を整える」などのヘルスクレームを謳う商品が並ぶ。富士経済が昨年11月から今年1月にかけて実施した保健機能食品の市場調査によると、機能性表示食品のヘルスクレーム別市場規模ランキングで「脂肪(低減)」が2024年(見込み)の1位だった。過去2回の調査でも「脂肪(低減)」が1位で、同調査では、「代表的な健康課題である生活習慣病の予防やダイエットと関わりが深く、“体の脂肪を減らす”というわかりやすい訴求でニーズを掴んできた」と分析している。

 

 機能性表示食品の増加に伴い、ヘルスレームも細分化されている。例えば、「運動時の脂肪の燃焼を高める」「運動後の脂肪の燃焼を高める」「日常生活(安静時や日常活動時)のエネルギー代謝における脂肪の燃焼を高める」など、同じ領域のヘルスクレームにおける差別化も進む。また、1つの機能性関与成分で、複数のダイエット訴求のヘルスクレームを謳う商品のほか、「睡眠」「疲労」「ストレス」など、別領域のヘルスクレームが謳える機能性関与成分と組み合わせた商品も増えている。ある販売メーカー担当者は、「ダイエット訴求の機能性表示食品が増え、複数のヘルスクレームを謳える商品が当たり前になってきた」と話す。ここ数年は、“腸活”が女性層を中心に浸透し、「便通を改善する」「腸内環境を改善する」といったヘルスクレームを加えた商品も増加。日本能率協会総合研究所が昨秋に、男女約1,600人を対象に実施した「健康ニーズ基本調査2024」で、気になっている健康に関する用語を聞くと「体脂肪」(52.6%)がトップだったほか、「腸活」(34.4%)も上位にランクインした。特に30代女性は、約6割が「腸活」に関心があった。こうした調査からも“腸活×ダイエット”のニーズの高さがうかがえる。

 

 市場全体では、“スリムで引き締まったボディ”“健康美なボディスタイル”を求めるニーズが高い。こうした中、プロテインは、パウダー品を中心に相変わらず製品ラッシュが続く。このほか、原料・販売メーカーからは、「海外ではGLP-1分泌を促進する機能性素材が注目されており、問合せが増えている」との声が聞かれた。血糖値を下げる作用や食欲を抑える作用などを有するホルモンの「GLP-1」は、3月に米国で開催された米国最大の自然・健康食品展「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト」で、ダイエット・血糖値対策サプリメントとしての出品が目立った。国内でどう展開されていくのか、今後の動向が注目される。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1808号(2025.3.19)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら