健康・美容飲料、調査データ解説
【設備投資】
2024年度に設備投資を実施した企業は72.2%で、昨年調査より18.1ポイント増加した。設備投資内容(複数回答)は、「製造設備の増強」が19社で最も多かった。新工場を建設した企業も前年の0社から3社となった。その他回答では、倉庫の新築や老朽化した建屋の耐久補強などのコメントがみられた。2025年度に設備投資を予定している企業は同2.2ポイント減の60%。「製造設備の増強」が17社で最も多かった。新工場建設を予定している企業も1社みられた。つづく
【品質・安全管理システムの導入状況】
海外輸出案件の増加や海外営業の強化を図る企業の増加を受け、健康食品GMPやFSSC22000などへの人気が高まっている。ここ数年、ISOシリーズや健康食品GMP、FSSC22000の導入企業は4割程度、ハラル認証の導入企業も1割程度で推移している。また有機JAS認証は24.2%が導入済みとなった。
【機能性表示食品の受注状況】
「受注実績がある」との回答は51.4%で昨年調査より2.9ポイント増加。機能性表示制度により「健康・美容飲料の市場拡大が期待できる」との回答は51.5%と過半数に達した。主な理由は、「効果効能を明確に訴求できる」との回答が最も多く、「サプリメント=機能性表示食品という考えが広がりつつある」「同制度を視野に入れた開発案件が増加している」「消費者が機能性表示食品を選ぶようになってきている」などの回答が見られた。つづく
【海外市場への展開】
「直接海外企業と取引あり」「取引先が海外輸出している」との回答を合わせると75.7%となり、昨年調査より4.3ポイント減少した。輸出国の1位は10年連続で中国(香港含む)がトップを維持。2位・3位は昨年と入れ替わり、台湾・ベトナムの順となった。ただ、トップと2位の得票数は年々縮まってきており、中国(香港含む)の存在感が徐々に弱まりつつある。アルプス処理水排出に伴う影響について、「悪影響がある」との回答は18.2%で、昨年調査より13.1%減少していることからも、中国経済の悪化が輸出熱を冷ましている要因のようだ。つづく
【工場の人手/ロボット導入状況】
「人手不足」「やや人手不足」との回答を合わせると8割以上に達した。各社では、従業員やパートの時給アップ、ラインの自動化、外国人労働者の採用などに取り組んではいるものの、労働人口自体の減少、働き方改革に伴う残業の制限など、受託製造現場を取り巻く環境は厳しいのが現状だ。生産効率の向上、省人化を目的に、「製造ロボットを導入している」と回答した企業は22.9%。「導入を検討している」は31.4%となり、半数以上のメーカーが導入に前向きであることがうかがえた。
詳しくは健康産業新聞1808号(2025.3.19)で
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