【話題追跡】 健康博、「腸内環境」 がトレンドに
37%が腸内環境に関心——。「健康博覧会2025」の来場者が選ぶトレンド2位に腸内環境がランクイン。出展ブースやビジネスセミナーでは、「腸脳相関」「美容」「睡眠」「冷え」など、腸との関連性を語るフレーズが響き渡った。今年の健康博覧会は国内外から健康産業のトレンドを探し求める約3万人が押し寄せた。「腸活」に関連する商材として、乳酸菌や発酵食品、腸内環境検査アプリなど、多様なアプローチがみられた。腸活に期待するテーマが多様化している――。日本美腸協会の山村康子氏は、コロナ禍は免疫を整えたいという人が圧倒的多数だったが、昨今では腸活によって期待することは人それぞれに変化しているという。ネットなどの情報過多により、腸活を何からはじめて良いかわからない“腸活迷子”も増えているとし、ヘルスリテラシーの重要性を指摘した。
今年の「健康博覧会2025」では、腸内環境分析サービスなどのテクノロジーの出展が特に目立った。サントリーグローバルイノベーションセンター㈱は、腸の蠕動音から最適な腸活を支援するアプリを紹介した。スマホをお腹にかざし、実際の蠕動音をマイクで拾い、腸内環境を判断する仕組み。「腸は全身の健康に関わっているため、“腸を起点に”と考える人が多くなっている」という。ブースに訪れた来場者からは、「製品の効果を“見える化”したい」「サプリメントなどの製品と併用して販売したい」との声が寄せられた。また会場では、腸内フローラから病気リスクを分析する提案も。㈱シンバイオシス・ソリューションズは、採便から腸内細菌叢を分析するサービスを提案。30以上の病気リスクを分析するほか、被検者の腸内フローラ組成を踏まえたおすすめ食品を紹介するという。「サロンやジムで健康相談を受けたときに販売したい」との声があったという。
ビジネスセミナー「最新研究知見から導く新たな腸活ビジネスの可能性」に登壇した㈱ちとせ研究所の川原田雄希氏は、性ホルモンと腸内フローラの関係について多数の研究が進められており、腸内の温度(深体温温度)が個人それぞれに優勢な菌叢フローラを決めているかもしれないことに言及した。つづく
詳しくは健康産業新聞1808号(2025.3.19)で
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