「栄養素等表示基準値」改正へ ビタミンDは5.5→9.0μgに
「日本人の食事摂取基準」の改正に伴い、食品表示の基準値として利用されている「栄養素等表示基準値」が見直される。値が現行より増えるのは、ビタミンDやビタミンB12など11成分。亜鉛や鉄などは現行より値が減る。改正は10年ぶり。これに伴い、「含む旨」「強化された旨」などの栄養強調表示も改正される。改正案は今年度中にパブリックコメントを行い、消費者委員会の食品表示部会で議論、必要な経過措置期間を経て施行となる見通しだ。
消費者庁は12月13日、2024年度の「食品表示懇談会」(座長:一般社団法人食品表示検定協会理事長、湯川剛一郎氏)を開催。この中で、食品表示基準改正について議論され、消費者庁が、「栄養成分表示に関する改正内容(案)」を示した。食物繊維について、食品表示基準の「別表第9」に規定している許容差の範囲を改正する方針。低含有量の場合に、大きな試験室間誤差が生じることを受けたもの。「0と表示することができる量」の規定も追加する。また「別表第9」に規定している栄養成分の測定・算出方法について、新たなビタミンB 群の測定法を追加する。さらに、厚生労働省が24年10月11日に公表した「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を踏まえ、食品表示基準の「別表第10」に規定する「栄養素等表示基準値」を改正する。
「栄養素等表示基準値」は、食事摂取基準と人口推計を基に、「18歳以上の性別及び年齢階級別の栄養素の基準値を性別及び年齢階級ごとの総人口により加重平均した値」。食品表示に利用されている。改正案として、各栄養素の具体的数値を例示した。カルシウムは現行の680mgから700mg、ビタミンB12は現行の2.4μgから4.0μg、ビタミンD は現行の5.5μgから9.0μgに引き上げることなどが示された。案によると、現行より値が増える成分は11。現行から値が減る成分は亜鉛、鉄、銅、ナトリウム、マンガン、ビタミンB1となっている。会合では、「栄養素等表示基準値」などをもとに算出している「栄養強調表示の基準値」の改正案も示した。「含む旨」「高い旨」「強化された旨」について、たんぱく質、カルシウム、ビタミンB 12、ビタミンDなどの数値を変更する。つづく
詳しくは健康産業新聞1803号(2025.1.1)で
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