【化粧品受託製造】 調査データ解説①(一部抜粋)

【24年下期の人気受注成分/ 25年上期予想】 ナイアシンアミドが2年連続トップ、グルタチオンが急伸

 24年下期の人気受注成分(複数回答)は、前年調査と同様、ナイアシンアミドがトップとなった。美白や抗シワ作用を表示可能な医薬部外品成分として人気が定着していることがうかがえる。2位には前年調査で3位のビタミンC・ビタミンC誘導体がランクアップ。前年2位の幹細胞培養液(ヒト・植物含む)は3位となった。この他、昨年のランク外から一気に得票を伸ばしたのがグルタチオン。シミや色素沈着の緩和、肌のトーンアップ、エイジングケア効果に期待される成分だ。

 

【24年下期の人気受注アイテム/ 25年上期予想】 ヘアケア製品がトップ維持、フェイスシートの人気も上昇

 今年下期の人気受注アイテム(複数回答)では、用途は同じでも剤型が異なるなど、約70アイテムの回答が見られた。消費者の多様化するニーズを反映して、アイテムも細分化していることがうかがえた。今回の調査でもヘアケア(イン・アウトバス含む)がトップを維持した。シャンプー&トリートメント類が多くを占めるが、今回の調査では、カラーシャンプーやカラートリートメントなどの染毛系、ヘアバームやヘアグリスなどスタイリング系の回答も複数見られた。また剤型のトレンドとしてはバームの人気が継続しているほか、スペシャルケアアイテムとして、フェイスシートの人気も高まっていることがうかがえた。

 

【経営状況】 コロナ収束で売上回復も、相次ぐ値上げで利益圧迫の状況に

 24年下期の経営状況について「良かった」との回答は、昨年調査より1ポイント減の34.7%、「悪かった」は、同5.9ポイント減の3.4%、「どちらとも言えない」は同1.8ポイント増の56.8%となった。「良かった」と回答した企業からは、「大口の受注獲得」「取引先の販売量増加」「既存客の売上回復」「新規顧客を開拓」など明るいコメントが多く見られた。ただ多くの企業からは、受注自体は回復基調にあるが、原料・資材やエネルギー費用、人件費の高騰は継続しており、「利益が圧迫された」とのコメントが多くを占めた。なかには、「受託企業間で業況の二極化が進んでいる」とのコメントも。実際、今年も複数の企業による身売りのニュースが見られた。

 

【設備投資の状況】 今年下期、設備投資控える動き見られるも7社が新工場建設

 24年下期に設備投資を実施した企業は、前年調査より9ポイント増の49.6%となった。コロナ収束に伴い、多くの企業では生産量が増加していることが、設備投資に繋がっている。設備投資内容(複数回答)を聞いた調査では、6社が「新工場建設」を行い、他にも「バルク製造エリアの拡張」「倉庫の新設」などのコメントも数社見られた。25年上期に設備投資を予定している企業は、同9.7ポイント増の57.9 %となった。「新工場建設」は8社が計画している。

つづく

 

 

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