【健食受託加工・製造】 調査データ解説①(一部抜粋)
【経営状況】 下期経営状況、「良かった」は21.4%
24年下期の経営状況について、「良かった」との回答は21.4%で、前年調査から18ポイント減少した。「悪かった」は、25.4%で10.4ポイント増えた。「どちらともいえない」は、7.5ポイント増え、53.2%だった。 「悪かった」「どちらともいえない」との回答では、「小林製薬の紅麹問題を境に、通販会社からの受注が減った」「5~8月の工場稼働が悪かった」「紅麹問題や機能性表示食品制度の変化の影響が市場に現れたと考える」など、紅麹問題による何らかの影響を受けた回答が目立った。また、「原料価格上昇分の転嫁ができていない」「原料や経費が上昇し利益率は低下した」など、昨年から続く原材料や資材の高騰などによる利益圧迫の様子がうかがえた。
【設備投資の状況】 下期、過半数が設備投資を実施 新工場建設は3社
24年下期に設備投資を行った企業は、前年調査より1.2ポイント増の51.2%となった。設備投資の内容(複数回答)は、「製造設備の増強」が最も多く52票だった。増強した設備については、計数充填機の追加導入、半自動充填機、清涼飲料水製造設備、カプセル充填機、シュリンク包装装置、造粒機、大型乾燥機、ステルス印字機、製造ロス削減に関する設備などのコメントが見られた。次いで「品質・衛生面の補強」との回答が21票。金属探知機、粉体物性測定器、カメラ検査機などハード面の補強に加え、「FSSC22000 Ver.6」への対応といった回答も。今年下期に新工場を建設した企業は3社だった。
【受注件数が伸びているカテゴリー】 受注トップは「美容・美肌」 2025年問題受け、ロコモ対策が伸長
加工・製造などの受注件数が伸びているカテゴリー(複数回答)は、トップの「美容・美肌」から「ダイエット」「スポーツニュートリション」「免疫サポ−ト」の4位までは、前年調査と同じ結果となった。一方、今回の調査でランクを大きく上げたのは、5位の「栄養成分補給」(前年13位)、9位の「ロコモ対策(関節・骨・筋力)」(同15位)、11位の「血流改善・冷え対策」(同16位)となった。なかでも、団塊の世代が後期高齢者に突入する2025年問題を背景に、ロコモ・フレイル対策の市場への注目が高まっていることがうかがえる。
【海外展開について】 海外展開増加、円安と日本産に活路
海外展開については、66.4%が「海外向け(越境EC含む)受託を行っている」と回答。前年より4ポイント増加した。円安に加え、メーカー各社による展示会出展や営業活動など、積極的な海外展開が実を結びつつある。国・地域別(複数回答)では、前年調査同様、中国(59票)がトップ、2位は昨年のベトナムを抜いて台湾(51票)となった。次いで、ベトナム44票、香港31票、米国28票、タイ25票、韓国20票、シンガポール14票と続く。ASEAN諸国が上位にラインクインしている。受託企業の中には、中国人スタッフを雇用し、中国企業との対応を強化している例もみられた。
つづく
詳しくは健康産業新聞1802号(2024.12.18)で
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