特集【青汁】 有機製品ゼリーなど 、 下期挽回なるか…

 本紙編集部では7月中旬〜8月上旬に掛けて、青汁製品の原料サプライヤー、受託加工・製品OEM事業者、販売メーカーを対象に、取材およびアンケート調査を実施。主要企業を含む48社の2024年上期の業況は、「良かった」との回答が21%、「悪かった」が23%、「どちらとも言えない」が56%となった。「良かった」と回答した企業からは、「販促が奏功した」「定期顧客が増えた」「海外の大型案件が決まった」などのコメントが見られた。「悪かった」と回答した企業からは、「競争激化」「昨年末に実施した製品の値上げが響いた」「市場の飽和、トレンド低下」「広告費用の削減が影響」など、「どちらとも言えない」と回答した企業からは、「キャンペーンで予測よりも下回った」「新規顧客の獲得が進まなかった」「競合が多過ぎる」「横ばいが続いている」などの声が聞かれた。今回の取材および調査の結果、今年上期の青汁製品市場は、前年同期を下回ったことがわかった。

 

 今回の取材でもECを含む通販市場では、激しい競争が持続していることが判明。青汁製品に販促費用を投下した企業は好調を維持した一方、控えた企業は売上が下がっている。依然としてパイの奪い合いが続いている。特に今年上期は、紅麹問題に端を発し週刊誌やネットメディアを通じて、機能性表示食品や健康食品の安全性や品質に対するバッシング記事が数多く発信され、紅麹の使用有無に関わらず、健食通販企業の多くが、定期客の解約など、風評被害に悩まされた。食品・日用品の値上げラッシュを受け、ついで買いが主体のスーパーや量販店などでも、青汁製品の買い控えが続いている。また、ここ数年は堅調な動きを見せていたDgSルートでも、「紅麹問題に伴い、客離れが起きた」「4〜6月の売上が激減した」などのコメントが聞かれた。

 

 今年上期の市場では、「機能性表示食品」「有機製品」「ゼリータイプ」など、売れ行きの良いアイテムも見られた。機能性表示食品の受理実績について聞いた調査でも、42%が「受理実績がある」と回答しており、青汁製品市場の中で、機能性表示食品の存在感が高まっていることがうかがえる。ただ、今回の調査では、紅麹問題の影響が、機能性表示食品全体に悪影響を与えている状況も見られ、下期に向けて不透明な部分は否めない。

 

 一方、有機製品やゼリータイプの伸びには期待される。有機製品に関しては、ビオセボンやビオラルなど、オーガニック&ナチュラル製品専門の小売店、コストコなどオーガニック製品の拡充を図る小売店が増えていることが追い風だ。山本漢方製薬や新日配薬品などの販売メーカー、東洋新薬や佐々木食品工業などの受託事業者、原料サプライヤーからは、有機製品が伸長しているとのコメントが聞かれた。ゼリータイプに関しては、野菜嫌いな子供を持つ親から支持を受けている。スティックゼリーの受託メーカーへの聞き取りでも、青汁ゼリーの受注は増えていることがうかがえる。ケンプリアや日生バイオなどが取り扱う大麦若葉エキス末は、水に溶けやすいことから、ゼリー向けに原料供給量が伸びている。つづく

 

 

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