特集【北陸企業ガイド(富山・石川・福井)】 健食・化粧品の一大生産拠点へ
「とやまの置き薬」で知られる富山県では、医薬品関連企業が100社以上集積するほか、医薬品産業の発展に伴い、容器・包装資材、パッケージ印刷等の周辺産業の事業者も多い。一方で、医薬品製造で培った製剤化技術をいち早く健康食品・サプリメントの製造に転換したした企業、医薬品原料に加え、健康食品原料の取扱いを開始した企業も少なくない。アスタキサンチン原料で世界トップシェアの富士化学工業、国内唯一のα-リポ酸製造メーカーの立山化成、国内で最初に米国GMP認証を取得した健食ODM/OEMメーカーのバイホロンなど、健食業界で全国的に知名度の高い企業も多く本社工場を構える。
他にも機能性表示食品開発サポート、ODM事業で近年業績を伸ばす協和薬品、医薬品製造で培った新技術「コーティングビーズ」で、今春から本格的に健食市場に参入した信和薬品、小ロットでの健食受託に対応する明健舎やアニマート製薬、エスビーケー・トヤマ、丸剤を得意とする渡邉薬品、充填包装に特化する啓伸――など、数多くの健食受託メーカーが本社工場を構える。また、“水の王国”とも呼ばれる富山県では、北アルプスの伏流水や富山湾の海洋深層水など、豊富な水資源を活用する飲料メーカーも多い。富山湾海洋深層水を用いた経口補水関連製品が好調の五洲薬品、健康・美容飲料やゼリーのODM/OEMメーカーとして知られるトンボ飲料、小ロット対応の飲料受託メーカー・喜八食品、八千代ドリンクスなども県下に本社・工場を構える。
石川県では、産学官連携の下、地域特産品の機能性研究から健康食品や化粧品に応用する取り組みが活発に行われている。これまでに加賀野菜「金時草」をはじめ、日本酒、魚醤、かぶら寿司、こんか漬けなど県内の伝統的な発酵食品に着目したプロジェクトが行われている。県内では、40年以上にわたりスッポンの養殖から最終製品の製造、全国で直営店舗「スッポン堂」を展開する金沢すっぽん堂本舗のグループ企業、ジャパンウェルネストレードが本社工場を構える。現在は最新設備を導入し、スッポン製品に限らず、健食全般の受託加工・製造事業にも注力している。
福井県では、福井県食品加工研究所と県内企業が共同で、県産の梅やラッキョウなどを用いた各種健康食品の開発実績を持つ。同分野のリーディングカンパニーが、天然カルシウム素材シリーズ『海の恵みの贈り物』や県産品の『紅映梅(べにさしうめ)』の原料供給、機能性表示食品の製造販売を手掛けるカワイマテリアルだ。同社は、地域活性化の観点から、早くより県産品の健康機能に着目した事業にも注力。機能性表示食品『カシス梅ウォーターgood job α』(PET350mL)の開発・販売を展開している。この他、健康食品や食品・化粧品原料の各種粉砕機の販売および、加工受託を行うパウダーバンクジャパンなどが在籍している。つづく
詳しくは健康産業新聞1794号(2024.8.21)で
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