【話題追跡】 リポソーム、「体感」「伝えやすさ」でサプリ活用広がる

 最近、ドラッグストアなどのサプリメントコーナーで、「高吸収性ビタミンC」「持続型ビタミンC」といった宣伝文句を謳うリポソーム型サプリメントをよく見掛ける。リポソームとは、細胞膜や生体膜の構成成分であるリン脂質でできた球状のマイクロカプセルを言う。タマネギのような多重構造で、それぞれの層に機能性成分を閉じ込めることができる。体内での持続性に優れ、機能性成分の体内吸収率も高まることが期待できる。もともとリポソームは、薬を必要最低限の量で、必要な患部へ、必要な時間に届ける製剤技術「ドラッグデリバリーシステム」の1つとして医療業界で使用されている。

 

 サプリメントでは、ロート製薬が昨年10月に、20年を超えるビタミンCの研究ノウハウを活かし、リポソーム型ビタミンCを配合した『THE LYPO(ザリポ)』を上市した。今年に入り、佐藤薬品工業が新ブランド「LIPOCERA(リポシーラ)」を立ち上げ、第一弾としてリポソーム型ビタミンC配合サプリメントの販売を開始。自社オンラインショップのほか、「一部リアル店舗での取り扱いも始めた」と話す。リポソーム型サプリメント『Lypo-C』ブランドを、約1,900のクリニックなどで展開するスピックは、販売量が伸長。増産体制を整え新規顧客に対応しているという。

 

 リポソーム技術を活用した商品開発は活発で、本紙が6月に健康食品受託企業を対象に実施した定期調査の「人気受注素材ランキング」では、「ビタミン類」が6位にランクイン。「リポソーム型ビタミンC」の回答が例年になく多かった。またビタミンC以外のリポソーム素材を挙げる回答も複数あった。需要増を受け、製造ラインを段階的に増強する製造工場も。ある原料メーカー担当者は、「リポソーム素材は体感が高く、認知が高い素材を活用することで、訴求点もわかりやすく、ユーザーに伝えやすい。問合せが増えており、注文リピート率が高い」と人気要因を分析する。つづく

 

 

 

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