【食系店舗ルート】 「物価高」「節約志向」影響強く 付加価値づくり注力

 今年上半期の売れ筋は、「アマニ」「アサイー」「あずき茶」「梅醤番茶」「調味料」など。SNSによる情報発信やテレビ放映が需要を後押しした。一方、円安を理由とする値上げが響き、売上点数減となった商品もあった。専門店の新規出店は3月、「ビオラル国立駅前店」が複合施設「nonowa国立SOUTH」内にオープンした。プライベートブランド“BIO-RAL”は約370品目ラインアップ。オーガニック・ローカル・ヘルシー・サステナビリティをコンセプトとした商品展開を進めている。既存店は「過去最高売上を達した2020年に近い水準まで近づいた」との声も。新たな顧客獲得に成功した専門店もみられる。

 

 2024年の食品値上げは、予定分を含めて1万86品との調査結果が発表された(帝国データバンク調べ)。3年連続の1万品目超。取材先からは、「消費マインドの冷え込みに繋がった」「物価高による節約志向が続く」「購入頻度減少で販売数量が伸び悩む商品がある。終売予定商品を含め、切り替え対応に追われている」との声が。値上げによる買い控えを懸念する声が目立った。上半期の販売状況についてヒアリングしたところ、「自然食品ショップは、ショッピングモールや駅、百貨店などで多店舗展開している企業の売上が牽引した」「オーガニックやヴィーガン関連の取り扱いが増加している」などの声が。

 

 今後の見通しや取り組みについては、「自社ブランドの商品開発」「新規チャネル開拓」「IT化推進」「ホームページリニューアルで商品情報を詳しく見れるようにする」などの回答があった。専門店は、新型コロナ禍で健康志向が高まったことを受け、好調に売り上げを伸ばす店舗もあった。ムソー㈱が運営するムスビガーデン桜新町店は今年の4〜6月、「過去最高売上を達した2020年に近い水準まで近づいた」という。常連客の知人・友人が新規顧客となったことも来店客数増に繋がったとしている。つづく

 

 

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