【NMN/有識者インタビュー】 医療法人社団 東京MITクリニック理事長 宇野克明 医師
◆「遺伝情報エラーの修復」にNMNが有効
東京MITクリニックでがん治療を行う傍ら、医家専用サプリメント『メトセラNMN』を採用する宇野克明医師にNMNの作用機序や効果について話を聞いた。
我々は、老化に対する新たな概念「若化」を基に、「細胞創出」「遺伝情報エラーの修復」の観点から老化制御を行っている。「細胞創出」には別途医薬品が対応するが、「遺伝情報エラーの修復」には、私が開発に関与した『メトセラNMN』を活用。現状、約300の医療施設にて採用に至り、多数の臨床エビデンスデータが蓄積しつつある。ヒト細胞には、加齢による遺伝子DNAの突然変異が徐々に蓄積し、老化や発がん原因となる。しかし、こうした現象の抑止にはDNAサイレンシングと呼ばれる手法も応用可能だ。そこで、近年解明された“DNAのエピゲノム構造に生じる遺伝情報エラー”にNMNが力を発揮する。
NMNを経口摂取すると体内で速やかにNAD+に変換され、その大半がミトコンドリア内のエネルギー産生に活用される。しかし、変換されたNAD+の一部はサーチュイン遺伝子が作る酵素と協調し、エピゲノムの脱アセチル化という抗老化作用によって遺伝情報エラーの修復を行う。よくNMNは、人によって効果が違うとされる。「疲れにくくなった。よく眠れるようになった。視力が回復した」などの異なる体感は、エピゲノム構造に生じた遺伝情報エラーの部位が人それぞれに異なるためだ。
一方、共通する点では、エピゲノム構造の修復によって細胞の老化が改善し、インシュリン抵抗性の回復や炎症性サイトカインの減少による血糖値の改善などの作用機序が確認されている。高品質なNMNが生理的なβ型のみなのに対し、製造法や基原料によってはα型NMNが混在する可能性もあり、未知なる副作用も含め研究対象の成分と言える。
詳しくは健康産業新聞1790号(2024.6.19)で
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