特集【スポーツニュートリション】　注目素材が続々、熱気を増す市場

　 本紙が昨年12月に受託加工・製造事業者を対象に実施した定期調査で、受注件数が伸びている商品カテゴリーにおいて、「スポーツニュートリション」は、「美容・美肌」「ダイエット」に続く3位を獲得。また、今年上期の人気受注素材予想ランキングでは、プロテイン、アミノ酸はトップテンにランクインしている。ここ数年、プロテイン人気が続く中、様々な機能性素材の注目度が増している。従来からアスリートに広く利用されているアミノ酸。筋肉の材料となるアミノ酸、持久力に関わるアミノ酸、運動後の筋肉リカバリーに役立つアミノ酸など、一つ一つの成分における情報収集が以前に比べ容易になったこともあり、ライト層の利用にも繋がっている。

　アルギニン、クレアチン、L-シトルリン、L-カルニチン、HMB、β-アラニン、GABAなどのほか、必須アミノ酸9種類を含むEAAなどのブレンド原料が流通。アミノ酸の配合比率を顧客ニーズによって設定したオリジナルブレンド原料を提供する事業者も。機能性表示食品では、「運動との併用で、立つ・歩くなど、自立した日常生活に必要な筋力の維持・低下抑制に役立つ」「筋肉量及び筋力の維持に役立つ」「身体活動との併用によりBMIが高めの方の脂肪の代謝(脂肪の分解と消費する力)をさらに上げ、体脂肪をより減らす」といったヘルスクレームのサプリメントが販売されている。

　アミノ酸以外にもミネラル類、アスタキサンチン、乳酸菌、イミダゾールジペプチド、コラーゲン含有ミネラル複合体、バレリン、グルコサミン、ルテイン、ライチ由来ポリフェノール、パスカップベリー、ボスウェリアセラータ、タートチェリー、ハスカップ果実、アロニア、モリンガ、紫茶、テフ、ビーツ――など、多彩な機能性素材が続々登場。エビデンスデータをもとにスポーツ領域での提案が実を結び、サプリメント、飲料などに利用が広がっている。原料・販売メーカーからは、「BCAA、EAAの供給が伸びている」「スポーツイベントが再開し、サンプル品の注文が増えた」「女性のシェイプアップ用途で需要が増加した」「水分補給飲料が好調で、前年比 2ケタ増を達成した」「運動時の関節・骨折ケアとして利用が進んでいる」など、市場の広がりに手応えを感じるコメントが多数聞かれた。

　成長が続くプロテイン市場では、乳由来や、大豆由来のほか、エンドウ豆、ライス、パンプキン、ローヤルゼリー、卵白、ヘンプ、チア、ビール粕、パン酵母、昆虫由来など、特色あるプロテインが流通。今年も森永乳業、明治、マツキヨココカラ＆カンパニー、ダノンジャパンなど、様々な企業がプロテインの新商品を投入している。粉末品では、価格や容量に加え、由来原料、溶解性、フレーバーの種類などで差別化。機能性表示食品のプロテインや、「ヴィーガン」「ハラル」対応商品、ジュニア向け商品も増えている。主要メーカーの明治はによると、2023年のプロテイン粉末品市場は前年比2ケタ増の約750億円に成長。運動意識の高まりや、コロナ収束による人流増加のほか、「国際的なスポーツイベントが多く、運動意欲が一層高まったことも大きい。予想より市場全体が伸びた」と分析する。つづく

詳しくは健康産業新聞1788号(2024.5.15)で
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