水素研究の最新知見を報告

 国際水素医科学研究会主催の第4回セミナーが3月10日、東京大学伊藤謝恩ホールとオンラインで同時開催され、「水素:医療・健康の新たな可能性と未来」をテーマに、国内外から8人の研究者により、水素研究の最新知見が発表された。医療関係者をはじめ、会場・オンラインを合わせて200人以上が参加した。

 

 医療法人セントラルアイクリニック院長の渥美一成氏は、「眼科疾患に対する高濃度、抗流量水素吸入の眼血流に対する効果」と題し講演。渥美氏は、「眼科領域における水素の効果は、血流促進が最も関係すると考えている」と述べ、正常眼圧緑内障の治療として水素吸入が有効かを調べたヒト試験を紹介した。試験は正常眼圧緑内障眼(NTG)64人、開放隅角緑内障眼(POAG)44人、正常眼(NL)49人を対象に、高濃度・高流量混合ガス(水素68%・酸素32%)の経鼻吸入(30分間)を行い、その前後に視神経乳頭周辺および黄斑周辺の網膜血管密度と網膜厚を測定した。

 

 その結果、NTGは視神経乳頭周辺の網膜血管密度の増加が主体で、POAGは黄斑周辺の網膜血管密度比の増加が主体であった。水素吸入は緑内障の血流を増加させ、特にNGTの治療の可能性があるとした。また夜間5時間以上就寝時吸入した場合、3ヵ月で正常眼と同じ網膜血管密度になることから、網膜機能が上昇する可能性も示唆された。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1785号(2024.4.3)で
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