特集【クマ笹】 豊富なエビデンス、新商品開発やリニューアル等で採用増加

 クマ笹は、北海道を中心に、青森、新潟、長野などで自生するイネ科の単子葉類ササの一種。葉緑素や多糖体などの含有量が高いことで知られ、免疫賦活、殺菌、抗ストレスなど広範にわたる薬理作用が報告されている。60~120年間地中の成分を吸収し続け、雪の中でも枯れずに耐え抜くなど生命力の強い植物として認知される。もともとクマ笹にはビタミン・ミネラル・アミノ酸・葉緑素などの栄養素を豊富に含むが、有効成分として着目され、研究されてきた“多糖体”の含有量が高いことでも知られる。漢方生薬では“悪疫を祓う”ともいわれ、免疫賦活作用、殺菌作用、抗ストレス作用など広範にわたる薬理作用が報告されている。

 

 健康食品では、シニア層を中心にクマ笹エキスの愛用者が多く、通販や催事販売などでも底堅く推移している。1906年創業の製薬メーカーである星製薬は、“ホシの隈笹”として40年以上に亘りユーザーの支持を得ている『隈笹精』をはじめ、『ホシ隈笹エキス』『ホシ隈笹エキス(顆粒)』、高濃度タイプ『高濃澄』『隈笹茶』などを展開。「国産素材」「独自製法」「豊富なエビデンス」を背景に、調剤薬局などのルートで順調に推移している。「コロナ禍で関心の高まった健康維持・増進に寄与する製品群として提案を強化している」とし、各種OEM供給も引き合いがあるという。『隈笹茶』については、ホテル・ニューオータニ内「SATSUKI」でもドリンクメニューに採用されており、遠赤外線焙煎で丁寧に仕上げたハーブティーとして若年層女性層などを中心とするライトユーザー向けに好評だ。

 

 新たな顧客獲得では、健康維持や免疫に関心が高まる中、「クマ笹エキスのリピーターは本当に多く、新規購入者も愛用者による口コミを中心に増えている」(ササランド)、「ハクジュプラザでの『くま笹緑茶』がコロナ収束を背景に復調している」(白寿生科学研究所)といった声がある。全国の百貨店催事限定でクマ笹製品を販売するケン商では、コロナ禍による催事の中止や延期にも関わらず、愛用者から直販で購入を希望の問い合わせが多く寄せられ、売り上げが伸長。「催事でまとめ買いする愛用者は多く、直販を希望する問い合わせも多い」という。また、『北の大地の青汁』(野草酵素)や、『乳酸菌が入った青汁』(世田谷自然食品)など、青汁の差別化への採用も増加傾向にある。

 

 直近では、原料価格高騰などから、国産素材を再評価する傾向も追い風に、エキス、茶類、青汁、ペットサプリなど幅広い用途で需要が拡大している。北海道に天然自生するクマイザサの健康食品に関する研究と開発で60年以上の実績を誇るユニアルでは、2021年にクマ笹初の機能性表示食品として、「整腸」関連(便通改善、腸の健康に役立つなど)、「便臭改善」のヘルスクレームが受理されており、コロナ禍より青汁製品での採用が続伸中だ。将来的には「血糖」関連のヘルスクレームも視野に、ヒト臨床試験の準備を進めていく計画だ。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1779号(2024.1.3)で
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