特集【免疫サポート】 第3・第4の「免疫」機能性表示に期待

 キリングループの「iMUSE」シリーズが受理された2020年8月以降、サプリ業界では第2、第3の免疫表示が続々と登場することが期待されていたが、1年以上にわたって、受理のない状態が続いた。業界からは届出が受理される科学的根拠の条件を確認したい、とする要望が高まっていた。業界団体の日本抗加齢協会は、免疫表示の届出を推進するため、有識者や消費者庁担当者を招いた検討会を行い、2021年9月に「免疫関係の機能性表示の科学的根拠に関する考え方」を発表。費用が高額となる「樹状細胞の活性化」の試験以外にも、食細胞活性、NK細胞活性ほか、有用な免疫指標を複数例示していた。そうした中、2022年12月にようやくアサヒグループ食品の『ディアナチュラゴールド L-92乳酸菌&食物繊維』(機能性関与成分:L-92乳酸菌、グアーガム分解物)が「免疫」表示で受理され、話題となった。

 

 結果的にはアサヒグループ食品も、先のキリングループの届出と同様、樹状細胞のpDCに着目した試験を行うことで、届出が受理された。免疫表示を目指す企業は多数あり、乳酸菌、多糖類はじめ、免疫のエビデンス取得を目指す複数の企業の動きが、CRO関係者から聞かれる。第3、第4の免疫表示が受理されるには、やはりキリングループ、アサヒグループ食品と同様にpDCに着目した試験を行う他ないのだろうか。日本抗加齢協会の細山浩事務局長に見解を尋ねたところ、「必須とはならない」と回答。従来の見解に変化はないという。ただし、日本抗加齢協会は機能性表示届出の相談や支援を行っているが、「免疫の維持」での届出について企業から相談があった場合には、「早く受理されたい場合はpDCの試験を勧める」という見解だった。

 

 複数のCROにも見解を尋ねたところ、「現在は実例がpDCしかないため、より短期間で免疫での機能性表示届出を目指す企業にはpDCの試験を勧めると思う」「pDC以外の新たな指標での届出は、受理されるか未知数」などの声が聞かれた。一方で、「一般的にpDCの試験は高額になる。pDC以外の指標であれば、比較的コストを抑えて実施できるので、1品受理されれば、同様の方法で届出を行う企業が続くのではないか」といった声も聞かれた。消費者庁食品表示企画課の担当者は、「『機能性表示食品の届出等に関するガイドライン』に沿って届出をして貰う。届出が認められない例として、『限られた免疫指標のデータを用いて身体全体の免疫に関する機能性があると誤解を招く表現』を挙げており、ガイドラインの内容に変更はない」としている。つづく

 

 

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