特集【健康・美容飲料】 受託5割が増収、2年連続で市場回復

 本紙編集部では今年2月中旬〜3月初旬に掛けて、健康・美容飲料およびゼリー飲料等の受託製造実績のある企業を対象に取材およびアンケート調査を実施、33社より回答を得た。2022年通期の業績について聞いた調査では、増収を達成した企業は53.3%で、昨年調査より10.9ポイント上昇。2ケタ増収企業も同1.2ポイント増の16.6%となった。経営状況について「良かった」との回答は、同12.9ポイント増の45.2%、健康・美容飲料市場の景況感について「好景気だった」との回答は、同5.1ポイント増の26.7%となり、健康・美容飲料市場の回復を印象付ける結果となった。

 

 「良かった」と回答した企業からは、既存製品の売れ行き回復や新規案件の獲得に関するコメントが多く聞かれた。今回の取材では、コロナ禍で大幅に需要減少に見舞われた口栓付パウチ入りのゼリー飲料、軟包装入りエナジージェルといったスポーツシーンで活用される製品の受注が大幅に回復していることもわかった。なかでも口栓付パウチの需要は、「コロナ前を上回っている」とのコメントが多かった。また三方シール入りスティックゼリーの需要も拡大。従来の美容系だけでなく、青汁ゼリーなど製品バリエーションが広がっている。「海外からも美容系スティックゼリーの需要が高まっている」といった明るい声も聞かれた。

 

 2022年通期の人気受注素材については、コラーゲンが不動のトップを維持。2位のプラセンタ、3位の植物発酵エキス(酵素)までは昨年調査と同様。4位には「GABA」がランクインした。受注が増えている商品カテゴリーでは、「美容・美肌」が今年もトップを維持。2位には「エイジングケア」、3位には「快眠・リラックス」がランクインした。他にも「整腸作用」「ダイエット(抗メタボ)」など、コロナ禍でのニーズを反映するカテゴリーが上位にランクインした。なかでも快眠・リラックス分野は、コロナ禍でストレスを抱える消費者が多い中、『ヤクルト1000』のメガヒットを生んだことでも注目されている。また『CHILL OUT』に代表されるリラクゼーション飲料の需要も高まっており、GABAやCBDなどの素材を上位に押し上げる形となった。つづく

 

 

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