特集【霊芝】 日本霊芝、海外で高評価

 霊芝は、信越、北関東を中心に北海道、近畿、九州などで栽培され、国内生産量は30t前後。コロナ禍における生産量の大きな変化はない。海外原料では、中国、台湾、韓国産などが流通。主な原料・OEMサプライヤーは、チハヤ、たるほ産業、リンクス、和漢生薬研究所、北海道霊芝、パワフル健康食品、ナガセビューティケァなど。各社、菌種の種類、産地、栽培方法、抽出法などで差別化を図る。チハヤでは、パートナー企業と共同で、「霊芝の栽培方法」に関する特許を取得。新たな栽培方法による『特許霊芝滅菌末』の供給を開始したほか、商標登録の申請も進めている。

 

 霊芝の原料価格は、国産エキス末品でキロ当たり10万円台半ば~20万円前後、国産粉末品で1万円~1万2,000円前後。海外原料は国産原料の約2/3の価格帯。有機原料や、他のキノコ素材をブレンドしたミックス原料なども流通する。為替変動の影響や、物流費、エネルギーコストの上昇などから海外原料を中心に、「値上げを実施した」事業者も。こうした中、「国産原料の取扱いに関する相談が増えた」といった声も目立った。

 

 市場では、姿(原体)、お茶、サプリメント、飲料、キャンディなどが流通。複合品が多いが、期待できる効果を高めた単品も根強い人気がある。「既存顧客の購入率は落ちていない」「コロナ禍で、霊芝の良さを再認識して頂けた」「セミナーの開催中止が相次いだものの、会員離れはほぼない」など、販売メーカーの声からも高齢者を中心としたリピート層に支持されている様子がうかがえた。飲料では、『からだ巡茶』(日本コカ・コーラ社)に霊芝が配合されている。素材選定として開発に協力している薬日本堂の担当者は、「霊芝は、健康な身体の土台を作る上で、欠かせない伝統素材」と話す。

 

 アイセイ薬局では薬日本堂監修のもと、ルイボスティーをベースに霊芝、黒クコの実などをブレンドした『キレイ創巡茶』を約360店舗で展開。40~60代女性がメインユーザーで「この層は霊芝の素材認知が高い」という。一般食品では、久原本家が『やさしい和漢だし 霊芝』を店舗やECなどで展開。「霊芝だけでは苦い味なので、シイタケなどのキノコを加え、ずっと続けられる“美味しさ”にもこだわった。日頃から健康意識が高いお客様に好評」としており、発売から約1年経つ現在も販売量は順調に推移する。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1756号(2023.1.18)で
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