特集【注目の”健脳”素材】 機能性表示食品、500品目前に

 認知機能の維持・向上対策の選択肢の1つに、脳機能をサポートするサプリメントや健康食品がある。高齢化率の高まりを受け、その開発は活況を帯びている。認知機能の一部である「記憶力」「注意力」の維持・向上などを表示できる機能性表示食品は490品(撤回除く)を超え、この1年間で約110品も増加した。機能性関与成分も20種類を超える。関与成分別では「イチョウ葉由来フラボノイド配糖体・イチョウ葉由来テルペンラクトン」が最も多く、次いで「DHA・EPA」、「GABA」「大豆由来ホスファチジルセリン(PS)」などが続く。他にも関連する2素材・3素材を組み合わせたW表示やトリプル表示などの製品も増えつつある。2022年には新たに「ノビレチン」「S-アリルシステイン(SAC)」が初受理となった。

 

 脳機能サポート訴求のサプリメントや機能性表示食品の販売メーカーへのアンケート調査では、チャネルによって売れ行きは様々だが、2022年の関連商品の売上高が前年を超えたと回答した企業でも5~10%増に留まっており、昨年調査と比較すると伸び率が鈍化した。背景には、2022年3月に消費者庁から認知機能関連の機能性表示食品を展開する115社の広告表示に対する改善指導が行われたことを受け、広告活動を控えた企業が少なくなかった。

 

 今回の調査でも、広告を控えたことで売れ行きが前年を下回ったとのコメントが複数見られた。他にも昨年来の値上げラッシュを背景に、消費マインド低下が影響したとの声も聞かれた。実際、富士経済が昨年10月に発表した「H・Bフーズマーケティング便覧2023」によると、2022年の認知機能をサポートするサプリメントの市場は278億円(前年比4.9%増)で、2021年の前年比20.5%増に対し伸び率が低下。同社の分析でも、消費者庁による改善指導を要因としている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1756号(2023.1.18)で
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