特集【珪素(シリカ)】 市場規模300億円到達、7年連続2ケタ成長

 大手インターネットショッピングサイトで「シリカウォーター」と検索すると、30品を優に超えるアイテムが販売されている。国内外の天然ミネラルウォーターに含まれるミネラル成分「シリカ(珪素)」を強調したアイテムが多い。シリカウォーターは、健康や美容意識の高い米国のセレブが愛飲しているとの話題がSNSを賑わせ、5年ほど前から日本でも人気が出始めた。現在はネットショップに留まらず、ドラッグストアやスーパーマーケット、コンビニエンスストア、量販店など、様々な店舗でもシリカウォーターを見掛けるようになっている。

 

 シリカウォーターの躍進が、珪素商材市場全体にも追い風となっており、水溶性珪素の濃縮液、サプリメントをはじめ、シリカウォーターを生成できるカートリッジを搭載したウォーターサーバーやスティックタイプの生成器、化粧品類――など、関連商材の売れ行きも伸長。新規参入企業も相次いでいる。なかでも最近は、モミ殻を由来とする植物珪素のニーズが高まっている。廃棄物であるモミ殻からの珪素抽出は、SDGsの観点からも注目されており、産学官連携で珪素の実用化に取り組む動きも始まっている。2022年の珪素市場は、珪素原料市場で9割以上のシェアを持つAPAコーポレーションの売上伸長率から推計して、小売ベースで前年比10%増の約302.5億円と、7年連続で2ケタ成長したことがわかった。

 

 珪素商材の市場が急成長している一方、非晶質(アモルファス)でない安全性が危惧される珪素原料、表示と実際の含有量が異なるシリカウォーターなども一部で流通。さらに関連法規に抵触する効能効果を標榜したWEBサイトや広告等も散見される。昨年3月には珪素サプリメントの販売企業が景表法違反で措置命令を受ける事態も発生。12月には(独)国民生活センターが、シリカ・珪素配合の飲料水、濃縮液、健康食品等の商品テストの結果を発表。珪素商品およびWebサイト等の情報について調査した結果、珪素(シリカ)の含有濃度や含有量の記載がない銘柄、表示量を満たしていない銘柄等々、食品表示法に抵触すると考えられる銘柄が複数見られたとのこと。また、販売者や製造者等のWEBサイトの商品紹介ページ、公式通販サイトなどで、珪素の薬機法や景表法などの関連法規に抵触する事例も見受けられたとし、消費者への情報提供および、行政への指導要請を行った。つづく

 

 

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