【話題追跡】 「相次ぐ食品値上げ」逆風をはねのけた商品は?

 食品の記録的な値上げラッシュが続いている。主要飲食料品メーカー105社における、2022年の価格改定品目数は2万822品目に。値上げ率は平均14%だった。今年も既に約7,000品目の値上げが発表され、家計負担増による買い控えが懸念されている。原材料高騰やコスト高などの逆風にさらされる中、昨年は高付加価値商品がヒット番付にランクインした。

 

 値上げラッシュが続く中、昨年は高い付加価値をつけることで逆風をはねのけた事例がある。睡眠の質向上やストレス緩和を掲げる乳酸菌飲料『Yakult 1000』シリーズは、日経トレンディの「2022ヒット商品ベスト30」で堂々の1位に。「悪夢を見るほど爆睡できる」といった噂が広がったことで、常時品薄状態に。1日当たり42万7,000本だった販売ペースは22年4月以降、約4.2倍の1 日180万本ペースに上昇した。累計売上数は約10億本に上る。量販店向け希望小売価格が税別150円と従来品より70円高いものの、価格の高さを上回る付加価値が功を奏したといえる。

 

 このほか、忙しい現代人のニーズを満たす「完全栄養食」は、ヒット商品番付5位に選出された。『完全メシ』シリーズ(日清食品)は、発売4ヵ月で累計出荷数が400万食を突破。カレーや油そば、スムージーが1食300~400円台と高価格帯ながらも、時短需要や栄養補給需要を獲得した。原料価格高騰などに伴う商品値上げが懸念される中、健康志向の需要を上手く掴んだ好事例といえる。キリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」シリーズは前年比約5割増で推移。免疫への関心の高まりが需要を後押しした。昨年末にはアサヒグループ食品のサプリメント『ディアナチュラゴールド L-92乳酸菌&食物繊維』が、「免疫機能の維持」を含む機能性表示食品として受理。免疫市場の起爆剤になるか注目されている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1756号(2023.1.18)で
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