特集【注目の人参素材】 滋養強壮、美容、冷え対策、フェムケア etc…

 多種多様な健康食品が流通する中、定番となっている人参素材。原料には、高麗人参、アメリカンジンセン、田七人参などが流通。滋養強壮・疲労回復をはじめ、血流改善、冷え対策、温活、睡眠改善といった訴求に加え、美容やフェムケアなどの新たな訴求も増加傾向に。コロナ禍においては、免疫対策やフェムケアなどをテーマとした製品開発も進み、市場拡大が続いている。

 

 高麗人参市場はドリンク、錠剤、エキス、カプセル、茶製品が牽引している。本紙推計では、「滋養強壮・疲労回復」訴求の代表素材として、2010年以降の市場規模は200250億円を堅持。通販企業が定番サプリの1つとしてラインアップするほか、ドラッグストアがPB商品化するなど、健康食品としての「高い認知度」「流通実績」を武器に、底固い市場を形成している。男性向け商品としてのイメージが強い高麗人参だが、『くらしの和漢 高麗人参茶』(永谷園)、『高麗人参ミルクティー』(オルビス)、『高麗美人』(ていねい通販)、『正官庄シリーズ』(日本製粉)、『フラコラ 高麗人参つぶ5000(協和)など、女性層に照準をあてた商品が年々増加傾向にある。高麗人参の最もポピュラーな機能である、血流改善作用を介した美容・冷え対策機能が評価されているようだ。

 

 2020年以降は、「免疫対策」と「フェムケア」の訴求が顕著に。コロナ禍を背景に、百貨店での販売が減少した一方で、大手ECモールやTVショッピングを中心とした通販ルートにおいて、既存ブランドは好調で、『即攻元気ゼリー 高麗人参+栄養ドリンク味』(明治)、『高麗人参『エクオール&高麗人参』(オリヒロ)など、新商品開発も依然活発だ。市場規模は、副素材として採用されているサプリメントも含めると、300億円の大台到達が見えてきた。

 

 免疫対策に関しては、通販ルートのサプリメント売上が拡大を続ける中、コロナ禍において、高麗人参が売れ筋に。DgS・コンビニルートでは、「高麗人参のメインターゲットは国内消費者のため、コロナの影響はほぼない。むしろ、免疫対策素材として再評価された」「外出自粛・テレワークが影響し、ドリンク剤は伸び悩んだが、ホームサイズのドリンク・サプリは順調に推移した」とも。従来の滋養強壮・疲労回復素材としての底固い需要に加えて、美容・冷え対応、免疫対策素材としての新たな市場創出が始まっている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1749号(2022.10.5)で
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